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日本の活路は再び「モノづくり」に。壊滅したコト消費はコロナ後も戻らぬ=斎藤満

耐えて時間稼ぎをしても生き残れない

帝国データバンクの資料によると、業種的には飲食店の倒産が147件で最多で、次いで建設工事業、ホテル旅館、アパレル小売りなどが続いています。

またタクシー・バス運行、旅行代理店、結婚式場、スポーツジムやエステティックサロンなど、人との接触を要する業界での経営破綻が目立ちます。

こうした業界では、息を止めて時間稼ぎするだけでは生き残れないので、根本的な営業方法の転換、新システムの構築が必要になります。飲食店、バーではテイクアウト、ランチ営業にシフトしたり、ウーバーイーツとの連携を利用するところも増えています。

また商店街を歩いていると、先のデータに表れないような自主廃業の店も多く、多くの商店街がまた「シャッター通り」に変わりつつあります。

これは地方の話ではありません。巣鴨の商店街や目黒などの都心でも閉店、廃業の看板が目につくようになりました。

エッセンシャル(必要不可欠)業者を守る

緊急事態宣言下でも、医療機関、スーパー、交通機関などは「エッセンシャル業務(必要不可欠)」として営業継続が求められます。

そこでは感染対策を講じながら営業を続けますが、医療機関や運輸交通関係ではやはり顧客減で収益が大きく悪化するところが少なくありません。政府は国民生活に不可欠として営業維持を求めるなら、相応の支援が必要になります。

その一方で、感染源として飲食店がやり玉に挙がっていますが、事情があって自炊できない、食事の支度ができない人々にとっては、飲食店は「必要不可欠」な業者になります。

この必要不可欠ながら大きな感染源となる飲食店に対して、一方的な時短要請は中途半端で業者への負担も大きくなります。酒が入って大きな声でしゃべる客に原因がある面が大きく、一律の時短による効果には疑問も提示さています。

そこは飲食のルール、マナーの徹底、違反者の立ち入り禁止、シールドによる席の隔離など、一定のルールのもとに営業を認める余地はあると見られます。公共交通機関内でもマスク越しとはいえ、大きな声で話をしている人には冷たい視線が向けられます。業者への規制、罰則よりも利用者のルール、規制、罰を考えるほうが経済負担が小さくなる面があります。

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