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中国は尖閣侵略で自壊する。日米の守り鉄壁、世界が習近平の敵に回る日=勝又壽良

中国の生産人口減少一途

中国の生産年齢人口は、15~59歳までを尺度とする。健康上の理由で、定年が60歳に決められているのだ。国際標準では15~64歳まで。中国の生産年齢人口は、国際標準より約1割も少ない計算になる。

そこで、国連経済社会局人口部は、便宜的に20~65歳までの人口の前年増減率を米中について計算している。その結果を示したい。

        中国      米国
2011年:16.176%増    10.545%増
2023年: 0.040%減    3.218%増
2039年: 8.560%減    3.010%増
2058年:11.941%減    1.351%増
2100年: 5.255%減    1.079%増
(出所:国連経済社会局人口部)

このデータを見れば、一目瞭然である。中国は、初めて2023年に生産年齢人口増減率が減少に転じる。2058年には、最大約12%の減少に見舞われる。

このように、中国は2年後の2023年から永久に生産年齢人口が減少する社会である。日本の二の舞である。生産年齢人口が減る社会で、潜在成長率が上昇することは不可能である。中国だけ、この仕組みから外れるという奇想天外なことは起こらないのだ。

一方、米国の生産年齢人口は増加し続ける

米国は、中国と異なって一貫して生産年齢人口は増加し続ける。この差は大きい。中国を「日没する経済」と呼べば、米国は「日没しない経済」と言える。米中経済逆転が定着することはあり得ないのである。

経済成長の構成要素は、労働と資本に加え、捉えどころの難しい「全要素生産性(TFP)」がある。TFPとは、資本や労働といった量的な生産要素の増加以外の質的な成長要因のこと。技術進歩や生産の効率化などがこれだ。

世界銀行が2020年6月、中国の生産性の潜在力に関し公表した文書によれば、TFP成長率は全般的に大幅に減速している。世界金融危機(2008年)以前の10年間の年率は2.8%だったが、2009~2018年は0.7%に鈍化した。4分の1に低下したのだ。驚くべき事実である。

なぜ、TFP成長率がこれだけ低下したか。国有企業とインフラ投資の非効率性が、中国経済の足を引っ張っていることは疑いない事実だ。高速鉄道を中国全土に張り巡らしているが、これは非効率の代名詞である。高速鉄道は、人口密度の低い地帯へ建設しても空気を運ぶような無駄な投資になる。

中国政府は毎年、GDPの成長率目標値を発表している。地方政府はこれに引っ張られて、無駄なインフラ投資を続けているのだ。

Next: 中国当局の統制が企業のイノベーションを阻害。経済の浅い底が見える

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