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五輪中止で困るのは米国とIOC。「女性蔑視」に世界激怒も決断できぬ裏事情=原彰宏

謎の嘉納治五郎記念センター活動終了

それで、また海外メディアから日本の東京五輪に関する記事が出されました。1月26日のロイター記事です。
※参考:嘉納治五郎記念センターが昨年末で活動終了、五輪招致に関与 – ロイター(2021年1月26日配信)

記事によれば、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が代表理事を務め、東京大会の招致活動にも関わっていた一般財団法人「嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」が、2020年12月末に活動を終了していることを報じています。

嘉納治五郎は柔道家で、講道館柔道の創始者です。「嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」は、日本がオリンピック・ムーブメントに参画してからちょうど100年の節目となる2009年5月27日に設立されたとあります。

また、「当センターでは、社会におけるスポーツの価値の向上に努め、嘉納治五郎先生が唱えた『精力善用』『自他共栄』の考えを社会に普及させることを目指して活動を展開している」との説明がありますが、よくわかりませんね。

オリンピック普及、オリンピックのための財団という位置づけなのでしょう。組織図が残っていて、そのメンバーを見てみますと、代表理事は、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長。理事には、山下泰裕日本オリンピック委員会会長の名前があります。理事には他に、遠藤利明衆院議員(元東京オリパラ担当大臣)の名前もあります。評議員としては3名、東京都副知事に、トヨタ自動車の社長・会長だった奥田碩日本経済団体連合会名誉会長の名前もあります。
※参考:組織概要 – 嘉納治五郎

そしてもうひとり、神社本庁と非常に親しい福田富昭世界レスリング連合名誉副会長の名前を発見しました。神社本庁の闇と言われる百合ヶ丘職員宿舎の土地不正取引、いわゆる「三為契約」のときに登場してくる人物です。福田氏は、全国神社が扱う「皇族」という雑誌委託販売する日本メディア・ミクスという会社の創始者で、一時、日本文化興隆財団の理事もしていた人物です。日本文化興隆財団は、神社本庁の外郭団体で、ホームページには「神社界と総代会との連携の中から生まれた財団」と紹介されています。

神社本庁の闇については、昨年末にかなりの長文を寄稿していますので、ぜひ下記の記事をお読みください。なかなか奥が深い話になっています。

【関連】神社本庁「コロナ禍の初詣」強行のウラ、金と権力の罰当たりな事実=原彰宏

「嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」は、森喜朗氏を代表理事とし、経済界と神社本庁と政治家と東京都が絡む団体だということになりますね。組織図を見ただけでも、怪しさ満載です(まったくの主観ですが)。

それが、東京五輪開催後に活動を終えるのならまだしも、昨年の12月に完全に閉鎖しているのです。いったいなぜなのでしょう?

五輪招致のウラが見えてくる

英国タイムズ紙の「五輪内密中止」報道と重ねれば、五輪開催中止の裏付けにも見えますが、ロイター通信記事を読めば、違った風景が見えてくるのです。

ロイター通信記事では、同財団を巡っての、東京大会の当時の招致委員会から、使途不明の資金が支払われていたことを取り上げています。

つまり記事の趣旨としては、この不正取引が明るみに出る前に、「嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」を閉鎖したというストーリーになっています。

Next: 東京五輪の闇は深い。ぎりぎりまで中止を言い出せない事情

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