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トレーダーの利益の源泉~効率的市場仮説の「つけ入る隙」を考える=田渕直也

市場が「効率的」だとどうなるか

こうした考え方はあまり多くの人には受け入れられていません。その一方で、デリバティブやリスク管理などの金融実務では、ごく当たり前のようにこの考え方が取り入れられています。金融ほど、理論やその理論に基づいた実務と、一般の感覚がかけ離れている分野も珍しいのです。

このような考え方が正しいかどうかはさておいて、ここでとても重要な点は、理論が示すようにマーケットの価格が正しいと仮定すると、期待リターンがプラスとなるトレードのやり方が存在しなくなるということです。

こうした考え方は「効率的市場仮説」と呼ばれています。

効率的市場仮説は、あくまでも仮説ですし、リーマンショックを経た現在では各方面から強い批判に晒されるようになっています。「そんなの机上の空論だよ」というのが、訳知りの間での一種の流行ともなっています。

でも、現実のマーケットには効率的市場仮説で説明が可能な性質、もしくは現象が幅広く見られるというのもまた事実であり、これを無視するのはちょっと無理があります。

前にお話しした「ファンドマネジャーとダーツ投げのうまいサルの間に、基本的な優劣は生まれない」という話もそうですし、「短期的に優れた成績を残した投資家は、その後凡庸な成績に回帰していく」というミーン・リバージョンの話もそうです。
トレードとは何か、その成功の要因とは何か~人がコントロールできるのは期待リターンだけ=田渕直也

これらは、「効率的市場仮説」を仮定すると上手く説明できます。

もちろん、効率的市場仮説だけでマーケットのすべてを説明することはできません。ですから、これが不完全な理論であることは間違いありません。しかし、だからといってこれを頭から無視してしまうのと、効率的市場仮説をいったん想定して、どこに現実のマーケットとのかい離があるかを探るのでは、トレードの捉え方が全く異なっていきます。

私は、まず効率的市場仮説を理解し、その先にある効率的市場仮説では説明しきれない部分を探ることで、初めてプラスの期待リターンの在り処を見つけることができると考えているわけです。

Next: 効率的市場仮説のどこが間違っているのか

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