fbpx

【年金】GPIFよ、おまえはアマチュアか? あり得ない運用成績隠し=江守哲

GPIFの常識は世界の非常識

今回は、過去10年間のパフォーマンスの状況を詳細に公表するとのことで、その精査に時間がかかっているとしています。

しかし、そんなものは、最初から決まっているのであれば、すぐにできるはずなのです。

まして、運用というのは、保有している資産の現在価値を常に時価評価して把握しておくのが、運用の世界では常識です。このグローバルスタンダードと完全にかけ離れた、むしろ逆の姿勢で運用管理を行っているのがGPIFということになります。

私もヘッジファンド運用をしていたからよくわかるのですが、3月末時点の運用成績を7月末に出すなどというのは、運用者としてはあり得ないことです。

それは、意図的に遅らせているか、それとも運用状況を精査できないほど体制が貧弱であるかのどちらかです。もちろん、今回のケースは前者でしょう。

先が思いやられる年金運用の将来

国民の大事な年金が運用されているのですが、その運用成績の発表が政治的な都合で遅れる。ひどい話です。一般の運用業界の話であれば、即座に投資家は資金引き上げを行います。そのような運用者には、安心して資金を預けることはできません。

日本の年金運用の大本尊がこれではお話になりません。日本の年金運用の体制の将来が思いやられます。

日本の運用業界は世界に比べて大きく遅れています。そして、年金運用も同様というわけです。とても残念ですね。


※今回ご紹介するコラムは有料メルマガの一部抜粋です。初月無料の初月無料の定期購読で、株式・為替・商品市場の週間見通しや、ヘッジファンド投資戦略の解説、住友商事銅地金チーム時代の回想録など、すべてのコンテンツをすぐにご覧いただけます。

【最新号(4月18日)の内容】
◆マーケット・ヴューポイント~大局観は変わらず
・株式市場~想定以上に堅調な米国株
・為替市場~円高への動きが再開する展開を想定
・コモディティ市場~一旦調整の可能性も
◎今週の「ポジショントーク」~日経平均先物をショートは...
○ヘッジファンド投資戦略~「政治要因の重要性」-投資戦略構築のポイント
●マーケット・トピック~「GPIF」はプロの運用者か?-成績発表遅延は世界標準ではあり得ない
□マーケット人生物語~私の人生を変えたアノ事件
◇ベースボール・パーク~久しぶりのプロ野球観戦

次号は4月25日配信予定です。興味のある方はぜひこの機会に定期購読をお願いいたします。

【関連】GPIF運用益4.7兆円~それでも日本の公的年金は実質破綻している=近藤駿介

【関連】公開すればパニックに?年金(GPIF)が保有株式より前に開示すべきもの=近藤駿介

【関連】「パナマ文書」の目的と国内マスコミが報じない国際金融の闇=吉田繁治

1 2

有料メルマガ好評配信中

江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて

[月額3,300円(税込) 毎週月曜日(祝祭日・年末年始を除く) ]
株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー