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世界でも異例、緊急事態宣言をガン無視する日本国民の心理とは?アベスガ政権が生んだ悲憤のアナキストたち=斎藤満

緊急事態宣言下でも国民の多くが街に繰り出しています。生き残るために通常営業をする店も増えました。菅政権のリーダーシップのなさに、もはや日本は無政府状態と化しました。コロナ戦争においては、身内にやさしく、国民に不誠実な政府では勝てません。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年6月11日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

広がる国民の反乱

国民の間に政府への「反乱」が広がっています。10の都道府県にはまだ緊急事態宣言が発令されていますが、繁華街への人出はむしろ増えています。

鎌倉の小町通りなど、一部行楽地の人出はコロナ前と変わらないごった返しで、政府や自治体が呼びかける「密」の回避はまったく無視されています。

もっとも、ワクチンの大規模接種会場に現れた高齢者からは「1年半ぶりに電車に乗った」とのコメントもあり、政府の呼びかけに応じないのはどちらかと言えば感染を恐れない若い人のようです。

ワクチン接種の優先順位は、重症化リスクの高い高齢者からとなっています。しかし、出歩かない高齢者と政府の要請を無視して出歩く若い人とでは、感染抑制の観点から見れば、新宿区の様に若い人優先も一案です。

しかし、これは若い人がもはや政府や自治体の言うことを聞かない、との前提になっています。

無政府状態を前提とすれば、ウイルスのスプレッダーを減らすことが優先され、若い人や通勤を余儀なくされる人からワクチン接種を進めるとの考え方が成り立ちます。

国民が皆政府の要請に素直に応える状況を前提に、高齢者優先となったのですが、今の日本ではこれが機能していません。

言うことを聞いて破産か、平常営業で延命するか

個人だけではありません。有力政治家がよく使う寿司屋は、緊急事態宣言下でも時短や酒類の提供自粛に応じず、平常営業を続けていました。有力政治家のお墨付きがあり、当局もチェックに来ないと言います。

こうした店が増えてくると、正直者が馬鹿を見ます。経営危機に直面する飲食店にすれば、言うことを聞いて破産するか、「闇米」を食べて生き残るかの選択となります。

結局、時短や営業停止に協力しても、いつまでたっても協力金が支払われない状況から、生きてゆくためにあえて要請を無視して酒の提供や、深夜までの営業に踏み切る店がどんどん増えています。

当初、生活必需品といって多くのフロアを開けていた百貨店がなし崩し的に営業を再開、規制を取り払う形になりました。

今や個人も企業も政府の要請を無視し、「反乱」を起こすものが増えています。

Next: 日本は世界でも例外的?政府の言うことをまったく聞かなくなった

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