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日本でも食糧危機は起こるか?世界の食料価格急騰に3要因、国民が飢える最悪シナリオ=高島康司

食糧価格急騰の背景にある3つの原因

さらに、こうした急騰の原因の背景には、次のような状況が存在している。まとめると次の3点になる。

<1. 新型コロナウイルスのパンデミックの影響>

新型コロナウイルスのパンデミック、ならびにこれを押さえ込むために各国が導入したロックダウンと移動制限は、農業生産に大きな影響をもたらした。

新型コロナウイルスのクラスターが発生し、生産ができなくなった農場や食肉加工場などもあった。また、移動制限で農作業の担い手である外国人労働者が不足している国も多い。

<2. 干ばつや洪水などの異常気象>

地球温暖化による異常気象は毎年激しくなっているが、今年の変化は特に大きいようだ。世界最大の食料輸出国であるアメリカが、大きな影響を受けている。

たとえばアメリカ南西部では熱波が発生し、アリゾナ州、ツーソンでは午前8時に38度を記録した。これは、1948以来1日で記録されたもっとも早い時間の高温だ。

さらに、記録的な熱波がカリフォルニア州からモンタナ州に広がっている。カリフォルニア州、パームスプリングス市では史上最高気温が50.5度に達し、6月の史上過去最高気温であった50度を突破した。ユタ州のソルトレイクシティ市では、過去最高の41.6度を記録した。

特にカリフォルニア州の熱波の影響は大きい。カリフォルニア州だけで、アメリカ国内の野菜の3分の1以上、果物やナッツの約3分の2が生産されている。熱波による干ばつは、これらの生産に影響することは間違いない。カリフォルニア州は農産物の輸出拠点なので、世界の農産物価格はさらに上昇するはずだ。

<3. 中国を中心とする急速な景気回復>

さらに、ワクチンの普及で景気が急回復し、想定以上に食料品への需要が増大していることも大きい。その中心にあるのが中国だ。「中国国家統計局」の発表によると、2021年第1四半期の成長率はなんと前年同期比で18.3%となった。これは1992年以降では最高の成長率だった。

この高い成長をけん引しているのが、国内消費の爆発的な伸びである。新型コロナウイルスのパンデミックで抑制されていた国内の消費と需要が一気に開放されたような状態になったのだ。

この国内消費の伸びは、外食産業も含め、あらゆる形態の食料品の需要を増大させている。特に食肉の需要の伸びは大きい。その結果。食肉の生産を拡大するために、飼料となるトウモロコシを始めとした穀物を中国が買い付けているのである。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックによる移動制限や、異常な天候異変による影響で食料の供給力は落ちている。中国の需要に応えるだけの供給力の確保が困難になっている。これが背景になり、食料価格が上昇しているのだ。

Next: デフレ基調にある日本、食料危機は起こらない?

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