fbpx

米中スガの3大リスクが秋に集中。解散総選挙と日本株急落に要警戒=斎藤満

米国の株式市場には「sell in May」という格言がありますが、日本はなぜか秋に下げやすい傾向があります。特に今年はあらゆる方面から警戒が必要です。『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年6月25日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

日本株は秋に落ちる?

米国の株式市場には「sell in May」と言い、その後は近づくな、との格言があります。

そして日本では、なぜか株価は秋に下げやすいと見られています。あの「ブラックマンデー」も1987年10月19日でした。

ある調査によると、1993年以降18年間について月別の株価騰落勝敗表をつくると、日本では8月と9月が12勝16敗、10月が14勝14敗と負け(月間で株価下落)が多くなっています。

また戦後の日別の株価騰落勝敗表をみると、9月は4, 6, 7, 18, 20, 22, 24, 27日の8日間が「負け越し(株価上昇より下落した日が多い)」となっているのに対し、10月は1, 3, 7, 8, 9, 12, 13, 16, 21, 22, 25, 27, 30の13日間が「負け越し」で、日数的には10月に下げる日が多くなっています。

今年も秋に、下げにつながるような不安材料が控えています。

FRBのテーパリング示唆

まず米国での「テーパータントラム(資産買い入れ縮小示唆による市場の癇癪)」がこの秋に予想されます。

2015年5月に、当時のFRB議長だったバーナンキ氏がテーパリングを示唆する発言をしたことから、世界中にショックが走り、世界の株価が急落しました。これをテーパータントラムと呼んでいます。

これを経験しているだけに、パウエル議長は慎重に事を運んでいます。

先のFOMCでは緩和縮小には慎重な姿勢を見せつつ、その裏で経済金利予想でインフレ予想の上振れと、利上げ予想の前倒しを提示しています。ショックを分散させようとの意図と思われます。18人のメンバーのうち11人が23年中に2回以上の利上げを予想、7人は22年中の利上げを予想しました。

仮に23年の早い時期に利上げを開始するとした場合、遅くとも22年中にテーパリングを終了させておく必要があります。

段階的に徐々に減額してゆくならば、テーパリングの開始時期は遅くとも来年初め、できれば今年のうちに始めておきたいところです。

その場合、事前に市場に伝えると議長は言っているので、テーパー開始宣言を、夏のジャクソンホールでの講演か、9月のFOMCで行う必要があります。

この実体的な影響はテーパリングを開始し、蛇口を閉め始めてからになりますが、その宣言時にも、少なからぬショックが起きる可能性があります。

Next: 中国の金融不安も。秋の日本市場にアラートが鳴り響く

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー