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「生まれて後悔」若者急増のなぜ。反出生主義者が嫌悪する“リアル人生ゲーム”の悦び、ダイスを転がす意義をあらためて考えた=午堂登紀雄

人間の誕生・出産を否定的にとらえる反出生主義に賛同できない理由を前回コラムで書いたところ、たくさんの反論と批判が届きました。そこから「なぜ反出生主義を主張するようになったのか」という動機や彼らの思考パターンの傾向が見えてきます。今回は反出生主義に行き着く人の特徴10個と、人生を楽しむためのヒントを考察したいと思います。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

【関連】誕生・出産を全否定する“反出生主義”が間違っている7つの理由。「なぜ貧乏なのに僕を産んだの?」にどう答えるか=午堂登紀雄

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プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

「反出生主義」肯定派からの反論が続々

人間の誕生・出産を否定的にとらえる「反出生主義」に賛同できない理由を書いた前回の記事は、いろいろな反響があり、私のツイッターにも多数の反出生主義肯定派と思われる人たちからのコメントをいただきました。よく見ると「#反出生主義」のハッシュタグもあり、この主義の信奉者は意外にも多いものだと少し驚きました。

興味があれば私のツイッターアカウント(@tokiogodo)を覗いていただければと思います。なかなかの盛り上がりぶりですよ。

そして彼らとのやりとりの中で、「なぜ反出生主義を主張するようになったのか」という動機や彼らの思考パターンの傾向が見えてきました。

そこで今回は、彼らの特徴と、そこから抜け出し人生を楽しむためのヒントを考察したいと思います。

「少数派に合わせるべき」に違和感

反出生主義の人たちからツイッターでたくさんの意見をいただいたのですが、それを読んで、今でも腑に落ちない点があります。

それは、「生まれたくなかったという人は少数派なのに、なぜ少数派に合わせて多数派が犠牲になる必要があるのか?」という点です。

実際にこんなやりとりがありました。

「苦しむ人が一定数出るというのはわかるのですが、それで死にたいと思う人は少数派でしょう。なのに、なぜ人類全体が産むべきでないなどと、少数派の主張に多数派が合わせないといけないのですか?私は少数派の価値観を否定はしませんが、なぜ少数派のために多数派の価値観が否定されなければならないのですか?そのロジックが見えないので教えてもらえますか?」

こう聞いても、答えが返ってきません。せいぜい、「誰が不幸になるかはわからないから。それはギャンブルになる。だったら最初から生まれなければギャンブルにはならないから」というくらいです。これまた、論理的でありません。

たとえば、台風や洪水などで家を失い、避難所での生活を余儀なくされている人たちに、「こんな悲惨な目に遭って、生まれてこなければ良かったと思いますか?親を恨みますか?やっぱ出産は否定されるべきですよね?」と聞いてみると、どういう答えが返ってくるでしょうか。

おそらく、「とにかく生きていてよかった」「命が助かっただけ儲けもの」という人が多数ではないでしょうか。

あるいはシリアの内戦から逃げて難民になる人は、なぜ逃げるのか。それはやはり「生きたい」という意志があるからでしょう。「死んでもいい」という人は逃げたりしないでしょうから。

つまり、逆境に直面して「生まれなければよかった」というのは少数派で、多くの人は生きることを肯定する。ここにも多数派の考えが否定されるべき合理的な理由が見つからない。人類全体に強制すべき正当性が見えない。

そもそも人生は何が起こるかわからないギャンブルであり、それを人は知性によってギャンブルに勝つ確率(苦難を予防する、避ける、解決することを通じ、予測力や想像力を磨き、より適切な意志決定ができるようになり、より満足度の高い人生を獲得すること)を高めようとするものです。

それが知性であるはずなのですが、反出生主義者はその知性すら信じないということなのでしょう。

Next: ツイッターに届いた批判から感じた、反出生主義に行き着く人の特徴

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