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異常に高い日本のコロナ検査陽性率、デルタ株70%超に政府はお手上げ?菅政権はどこで間違えたか=吉田繁治

コロナウイルスはデルタ株へ置き換わることで、感染拡大が止まらなくなりました。現在の検査陽性率から見ると、無症状の潜在的コロナ患者は何倍にも増えている可能性があります。五輪の裏で「ワクチン接種を進める」という策しかなかった日本政府には、もはや打つ手はありません。これは明らかな日本政府の失政です。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は新型コロナウイルスに関する内容が含まれます。新型コロナウイルス感染症については、厚生労働省などの公的機関が発表する情報をご確認ください。

※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2021年8月5日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

日本で70%、米国で85%になったデルタ株

感染症研究の世界的な権威であるCDC(米国疾病対策センター)は、変異後の新型コロナ(Covid-19:デルタ株)について水疱瘡(ヘルペスウイルス)並みの感染力と発表しています(CNNの報道:7月31日)。

1人の感染者が、8人から9人に広げるとのこと。通常のインフルエンザでは1人が2人ですから、約4倍感染力が強い。

ワクチン効果への期待から行動規制を解除していた米国でも、再びマスクの着用と市民への行動規制が発動される方向です。この動きは世界に広がっていくでしょう。デルタ株により、21年秋の収束はなくなったように思えます。

ワクチン接種が2億人(人口の60%)になった米国の新規感染数は、再び増えて、8月2日で6.8万人です。21年6月には1万人台に減っていましたからその約6倍です。現在のグラフは指数関数的な増加を示します。

米国では、人口の約11%(3,530万人)が、昨年3月からの累積での感染者数です。日本は95万人であり人口1億2,300万人に対する累積感染率は0.77%(120人に1人)ですから、その14.3倍多い。
※参考:世界における新型コロナウイルスの感染状況・グラフ・地図

東京や大阪でのデルタ株感染の割合は70%超という。米国ではデルタ株は85%と発表されています(7月21日:CDC)。感染者の3/4がワクチン接種者(2回)です。

ファイザーのワクチンの2回接種でも、デルタ株に対しては30%程度に有効率が落ちるという。イスラエルでは3回目の接種が始まり、米国でも3回接種に向かいます。日本が、米国のあとを追うことは、容易に推定できます。日本では3回目は、2022年からという。

<感染の主経路は、空中を漂うエアロゾルだった?>

デルタ株は、日本風の3密と濃厚接触だけからではなく、空中に漂うウイルスから「エアロゾル感染」するとされています(到達距離20m)。同じ部屋の、換気がよくないところに感染者がいると、接触はなくても感染する可能性が高いということです。対策は、感染者の隔離しかない。

日本の厚労省と保険所は、相変わらず、旧式です。施設のクラスターを追っています(安倍首相はこれを日本モデルとしました)。

米欧の医学系論文では「空気感染(エアロゾル)」が認められています。このエアロゾルを認めると、行動規制は日本風の飲食店だけではなく、人が集まるショッピングセンター、店舗、職場、演奏会、スポーツ観戦にまで広がります。日本の百貨店(阪急・阪神)での感染者の増加(150人台)は、エアロゾル感染を示すものと言えそうです。

Next: 東京と日本全体の検査陽性率は異常なほど高い

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