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業務スーパー時価総額1兆円超えの裏に“非常識”な3つの強み。「食のユニクロ」はどこまで成長するか?=馬渕磨理子

フランチャイズ展開も“非常識”、ロイヤリティは仕入額のたった1%

業務スーパーは、フランチャイズ店舗展開(926店舗FC・2店舗直営)をビジネスモデルとしています。

しかし、神戸物産のロイヤリティは、仕入れ額のたったの1%ですが、営業利益率は8.2%と他の商品スーパーに比べて高利益率を誇る。

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成長の本質は「業務スーパーの仲間を増やす」こと。

仲間を短時間でたくさん集めるために、FCロイヤリティーを低くし、FCオーナーに裁量の幅を持たせて自由に経営させる。

そして、店舗の利益が上がるように、効率化をしたほうがいいところは、本部のやり方を取り入れてもらう。そんな方針です。

業務スーパーは、最初の頃は「お酒」を扱っている店舗が多かったです。実際、酒販店が業務スーパーに業態転換したケースが多く、もともと店舗運営しているところが「業務スーパー」の仲間になっていきました。その場合、すでに仕入先が決まっていたり、もともとの商売の繋がりがあります。その繋がりをFCに加盟したことで、一掃するのではなく、むしろ強みとして続けてくださいという姿勢です。

業務スーパーの加盟店は、本部に申請すれば加盟店で独自の仕入れができるようになっており、業務スーパー商品を扱いながらも、もともとの酒販を続けることができる仕組みになっています。

業務スーパーがどんどん増える仕組み

そして、さらに、ここから「仲間を増やす仕組み」があります。FC加盟店がフランチャイザーになれるのです。フランチャイザーとは、加盟店を募集する企業であり、本部機能を持つ立ち位置です。神戸物産から見れば、FC店舗の下に、さらにFC構造は広がる形となっています。

FCが自前のFCの仕入れや物流を担うため、業務スーパーの店舗拡大をさらに加速する仕組みとなっています。こんな、驚きの“ゆるい”構造が認められているのです。

一方で、神戸物産は商品供給と店舗の運営を徹底してサポートをしています。例えば、物流センターからの流通は「段ボール」で運ぶことを決まりとして、バラバラと袋単位では運ばない決まりです。

店舗の冷凍ケースや棚のケースも「業務スーパー」オリジナル設計となっていて、陳列労働を効率化させています。いったんバックヤードから出したものは棚に出し切る「ワンウェイ方式」を徹底しています。

店舗内の陳列の効率化が徹底することで、品質の良いものを安く提供できるのです。ここは、“ゆるく”ない。効率化を徹底することが、FC店舗の為にもなるわけです。

Next: まるで食品業界の「ユニクロ」。製造小売(SPA)で高成長が期待できる

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