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ワークマンに異変アリ。株価1年で3割減、土屋CEO「しない経営」が成長持続のカギ、次の一手は?=栫井駿介

YouTuberやブロガーを上手に活用

それだけではなくて、今や個人が発信できる時代ですから、ワークマンの製品を本来の作業服用途としてだけではなくて、アウトドアとかそういった分野で使っているブロガーやユーチューバーの方がいました。

それをユーチューバーに任せているだけではなくて、そのユーチューバーの方に声をかけました。

狩りをする女性がユーチューバーでいらっしゃったのですが、その女性を捕まえて実際に声を聞いて、さらにはワークマンの商品も宣伝してもらうという、そういったサイクルを作り上げて、新たな市場へ進出していきました。

アウトドアはコロナ禍もあって流行っています。しかし初心者がいきなり何万も出すというのはハードルが高いです。それに対してワークマンの商品でいけるということになったら、安いので手が届きやすいです。

しかもワークマンは今や全国に店舗がありますから、行こうと思ったらその辺にあります。うちも千葉なんですが知ってる限りで3店舗ぐらいはあります。

それほどの独自の強みをすでに持っていて、それを変化によって見つけ出すことができて、そしてユーザーにとっては良い物をより安く手にすることができるといった結果をもたらしました。

結果としてはワークマンがアウトドア市場に進出してきたと見えるのですが、この背景を知ることによって、なぜそうなったのか、なぜそれが可能だったのかということがより深く知ることができるかと思います。

今後も成長は続く?

さて、今後も成長も続くのか、その可能性について考えます。

作業服からカジュアル、アウトドアに進出してきましたが、実は同じやり方で、すでにあるワークマンの商品を他の市場に投入して、機能性を持ちながらより安い商品を提供できるのではないかと考えてみれば、いろいろな市場があります。

すでにかなり顕在化して商品を投入している部分があるのですが、例えばバイク、スポーツ、靴などです。

実は作業服とバイクは非常に相性が良いです。私もバイクに乗るのですが、このワークマンのつなぎがありまして、バイクに乗ると冬は凍えてしまうぐらい寒いのですが、しかしこれを着たら冗談抜きで部屋の中にいるような温かさが、バイクに乗っててもずっと続きます。しかも当然雨も防げるので、カッパの役割も果たします。これが1万円弱ぐらいで買えてしまうので、私もバイクは初心者ですから、とりあえずこれ買ってしまおうという風になりました。これを買ってから私はバイクで、どんな気候でもどこへでも行けてしまうという気持ちにもなれました。

さらにはスポーツとか靴の分野に関しては、私は大学時代に陸上部に所属していたのですが、その先輩が陸上部なので、ちゃんとしたアシックスとかナイキとかアディダスといったメーカーのシューズを履いてきていました。ところが社会人になってジョギングしたいなという時になって、このワークマンのジョギングシューズが結構良いという話になっています。ガッツリやる人が履いて良いというぐらいなので、私自身も試してみたいという風に思っています。

これがなんと1,900円です。私達が大学時代に靴を買おうと思ったら、長距離をやっていましたから月によっては1,000キロとか走ります。1,000キロも走ったら靴の1足2足潰れてしまいます。一足が1万、2万が当たり前の世界です。それが1,900円で買えるのだったら練習用としていくらでも買えます。

そういった可能性のある市場はまだまだあるのではないかと思います。各市場が大体、数千億円ぐらいずつあります。

もちろん全部取れるとは言いませんが、そこから10%・20%を取れるだけでも数百億ずつ市場増やしていくことができると、ポジティブな見方をすれば成長が考えられます。

ワークマンの売上高が今1,000億円くらいですから、その100億ずつ取っていけば2倍になる日もそう遠くはないと考えられます。

Next: ワークマンの成長は今後も続くのか?長期投資家はどう見るか

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