専門家の予想が個人投資家を惑わせる
とくに為替には実需という相場を動かす大きな材料がありますし、機関投資家もドル円は一定の時期に買いを入れて来ることになります。
ですから、むしろいつも当メルマガでお伝えしているシーズナルサイクルとの乖離があるのかないのかを気にするほうが、よほど重要であることを改めて感じさせられます。
また上方向や下方向といった余分な刷り込みを受けることで、常に潜在意識として上昇や下落をはからずも想定してしまうことも大きな問題で、自在性を失いかねないことに陥るリスクも高まることになります。
まあ、それでも相場が上に行きそうだとか、下にいきそうだという朧気な感情は、裁量取引をするトレーダーは、多かれ少なかれ持っていくことになるのでしょう。
しかし、あまりそれに固執しないことのほうが、トレードには重要ではないかと考えています。
日本の企業では、もちろん収益算定のために想定為替レートを考えるところがほとんどですが、個人投資家は為替を使って事業の収益を決めるわけではありません。
そのため、むしろ上げるなり下げるなりのトレンドが出たときに、しっかりそれについていけるのかどうかが重要な課題となります。
チャーティストは上に行くともっと上、下ならもっと下と考えやすい
為替相場については、ファンダメンタルズの材料など一切考慮せずに、テクニカル分析だけで上だ下だと予想していく、いわゆる「チャーティスト」と呼ばれる人が想像以上に多いことがわかります。
まあ、そういうやり方でもしっかり儲けられるなら、別になんの文句もありませんが、それでも上方向に跳ねるともっと上昇すると確信したり、ひとたび暴落が起きると、さらに下落を想定する人が多いのには驚かされます。
また、自分で適当にカウントしたエリオット波動理論と、フィボナッチの組み合わせによる予想などが出てきますと、さすがに大丈夫なのかとかなり心配になるものです。