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“前から充電”の設計も仇に?大雪で充電口のフタが凍り付く“EVの欠陥”がSNS上で話題に。トヨタは「EVに本気」も拙速なEVシフトに懐疑的な声も

このところ従来のエンジン車と取って代わって普及が進んでいる電気自動車(EV)だが、雪が多い寒冷地では思わぬ事態で詰んでしまうことも……。そんなことを物語るツイートが、ネット上で大いに話題になっているようだ。

とあるEVを正面側から写したもののようだが、雪が結構付着しているなど、かなり極寒な環境で撮影されたと思われるこの画像。ボンネットの部分には充電口のフタが見えるが、実は折からの雪と寒さによって凍り付いた状態なのだという。

いっぽうで、凍った状態だった充電口のフタをどうにか開けて、充電を開始したとしても、充電器のある場所が屋根なしのふきっ晒しだと、たちまち雪だらけになってしまい、今度はフタが閉まらなくなってしまうという。

“充電口の位置”も大いに取沙汰される展開に

ある意味では“EVあるある”と捉えることもできそうなツイートだが、実際にEVに乗っているドライバーからすれば、明日は我が身といった由々しき問題。それだけに「わりと深刻な電気自動車の課題」「雪国の日常を考慮して対策しないと…」などと、大きな反響を呼ぶ結果となっている。

スマホなどでもそうだが、バッテリーは寒さには弱いため、EVも寒冷地などにおいてはパフォーマンスが落ちるとは、よく耳にする話。

今回取沙汰されているケースは、それとはまた微妙に違った問題で、エンジン車なら排熱によってボンネットの雪は溶けていたものが、排熱によるエネルギーが小さいEVではそうはいかなかったということだが、ネット上では「やはり拙速なEVシフトは危険では?」とった論調と結びつく形となっているようである。

さらに既に発売されているEVのなかでも結構多い“充電口が前”にあるという設計に対しても、疑問の声が浮上している状況。「制御機器がボンネット側に付いているため」「アメリカ人はほとんど前向き駐車だから」など、充電口が前にある理由には諸説あるようだが、今回のように雪降る寒冷地での走行だと真っ先に凍り付きそうな箇所だけに、何とかしてほしいといった声は多いようだ。

トヨタの“方針転換”も国内では懐疑派が依然多いEV

欧米では急速にEVシフトが進行し、既存の自動車メーカー以外でも米・テスラや中国の新興企業などでもその開発がどんどんと進むなか、取り残されているとの見方もあった日本の自動車メーカー。

そのなかでも、EVシフトの流れに対して最も慎重だとみられていたトヨタ自動車だが、ついこの前の12月14日に行われた説明会で、2030年のEV世界販売目標を従来の200万台から350万台に、さらにEV30車種を展開すると発表。「ついにトヨタもEVに本腰か」と大きな反響を呼んだ。

【関連】トヨタ「EVシフト」に震え上がる欧米。トドメの大本命“水素自動車”で日本車が世界を制す=斎藤満

とはいえEVの普及に向けては、充電インフラの整備にくわえて、電力の再生可能エネルギー化などといった、民間企業の努力だけではどうにもならない問題も。また先述の通り、雪国という一面も持つ日本において、EVばかりを増やしていくのは危険なのではないか、特に毎年のように“大雪で立ち往生”といった報道を見るに……といった声も根強い状況だ。

さらに今回の件では、充電口の位置が大いに取沙汰されたように、昨今出回っているEVの多くが、日本特有の事情に合うように設計されているわけでは決してないことが浮き彫りになる格好に。ガラパゴス化からの脱却を図ろうとする日本の自動車メーカーだが、それが国内のドライバーたちからの声に対する軽視に繋がらないことを祈るばかりである。

Next: 世界でも希な豪雪地帯を抱える当の日本メーカーが…

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