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100均が40年も「100円のまま」なのは日本だけ。最低すぎる最低賃金とデフレマインドから抜け出さないと亡国へ=原彰宏

経済・お金の話を聞くのは「悪」?

それと同時に、もっと経済の仕組みを理解することが大事だと思いますね。経済を知ることから目を背けないということが必要だと思います。

「経済」と聞いただけで「悪」だと思う謎の思考、お金を稼ぐこと、お金の話をすることを頭から否定する謎のマインドは、今すぐ治すべきですね。

海外では学校教育において、経済の仕組みやお金を稼ぐ仕組み、労働のあり方をしっかりと学びます。

当然、経済を語ることはタブーでもなく、経済が「正義」の反対側にあるものではないことも理解しています。

日本ではどうしても、経済や社会の仕組みに対する基礎知識が乏しいので、人口減少の危機などが実感できないのではないでしょうか。

海外のダイソーは「100円」に非ず

ただ、適応力は優れています。

デフレ経済の申し子のような「100円ショップ」、300円以下で食べられる牛丼屋、ワンコインランチなどなど、良い意味で言えば「デフレ下で生きる知恵」とも言えそうです。

米国では、インフレになるとすぐに価格に販売価格を引き上げます。日本では販売価格を上げないで人件費を削ります。

デフレ経済の申し子「100円ショップ」は、客離れを恐れ、値上げに踏み切れない日本企業の実態を如実に示しているといえます。

海外展開している「ダイソー」の海外店は、原材料高騰により200円~300円と、値上げしています。

そもそもは労働者の最低賃金の問題

そもそも労働者の最低賃金が違うのかもしれません。

日本人の労働力では、100円という価格を維持できる水準だということ。40年以上もずっと100円であることは異常事態です。

米国では、物が買えない人は切り捨てられます。物が買えない人のために低価格を維持するという発想はありませんが、一方で、人件費はインフレとともに引き上げられます。モノの値段の変化は市場原理に任せ、インフレは賃金で調整します。

というか、インフレになると賃金を引き上げないと生活が苦しくなります。賃金を上げなくても労働者が確保できるという仕組み自体が、問題ではないでしょうか。

日本でデフレがこれだけ続くのは、販売価格を引き上げないことが企業努力のように思われているところがありはしないでしょうか。そのしわ寄せは人件費にきているような気がします。

そのことが、労働賃金が上がらない要因にもなっているでしょう。つまり、価格競争でしか、企業が生き残れない産業構造になっているのです。

付加価値を付ける販売競争に転化してこなかった労働生産性を追求した業態変化をとってこなかった労働者維持のために効率的な社内インフラに力を注いでこなかった…。

ようは「何もしてこなかった」と言えます。

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