自分たちの労働環境さえ守られれば、それでいい?
すごく嫌味な表現を“敢えて”してみますと……日本人は、世界がインターネット・インフラを整備しようが、テクノロジーをどんなに発達させようが、今の自分たちの労働環境さえ侵されなければ、そんなことはどうでも良いと考えているのでしょう。
今の労働環境が壊されることが嫌なだけで、組合や企業が自分たちの労働環境を維持さえしてくれればよいわけです。
従って、テクノロジーの発達やロボットの活躍によって自分たちの労働環境が侵されるならば、それらはむしろ「無いほうが良い」のです。
それなりに働いていれば、最低限の給料が継続的にもらえるのであれば「満足」なのですね。
この風潮がある限り、日本は何も変わらないでしょう。こんなマインド設定では、世界のテクノロイジーの流れついて行けるわけがありません。
企業の内部インフラの効率化と労働機会の問題は、バッティングするものなのでしょうか。
トヨタが内燃機関にこだわって完全にEVシフトできないのも、裾野の広い産業構造における労働者を守るためと言われているようですが、果たしてそれで良いのでしょうか。
「変わらないことが望ましい」
余談ですが、選挙行動を見れば、この仮説はうなずけてしまうのですがね。
「変わらないことが望ましい」……日本では技術革新や構造改革が進まない現状が、すべてを物語っているようにも思えます。
繰り返しますが、事実としてこの国は、20年以上も経済成長は横ばいか微増で、最低賃金は変わらず低いままでいるのです。
本当に「少子高齢化」は大変なことだと思っているのでしょうか…人口減少に危機感を覚えているのでしょうか…。
ここに来て開き直りにも見えるような、「経済成長はしなくて良い」とか「人口は増えなくて良い」という論調がもてはやされるようになってきています。「地球温暖化のために経済成長はなくて良い」というものです。
一方で、「分配は必要だ」「格差はなくせ」という主張も、強くあるようです。
デフレからの脱却を考えるうえで、この日本人のネガティブマインドを変える必要があると思います。