ソニーグループは1月4日、米ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市で「EV参入」を表明しました。ブランド力が物を言うEV業界で、「ソニー」名は極めて有利に働くでしょう。ゼロからの車両製造は困難なため、既存の車メーカーとの提携が不可欠。ソニーは「ホンダ」をパートナーに選ぶのが最適だと考えます。(『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』澤田聖陽)
※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2022年1月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
投資に勝つにはまず第一に情報分析。「投資に勝つ」という視点から日常のニュースをどのように読むべきかを、この記事の著者で、元証券会社社長で現在も投資の現場の最前線にいる澤田聖陽氏が解説します。視聴方法はこちらから。
ついにソニーが「EV参入」
ソニーは、1月5日から米国ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES 2022」の記者発表会において、EV事業に参入することを表明しました。
EV事業は新会社ソニーモビリティで展開していく予定であり、発表当日にはSUVタイプのEV「VISION-S 02」もお披露目しています。
2020年にも「VISON-S(VISION-S 01)」を発表していたのですが、その時点ではモビリティやエンターテイメント事業の研究する目的であり、自社での車両販売を行わないとしていました。
それが今回、大きく方針転換するかたちとなりました。
EV参入の発表を受けて、1月5日のソニーグループ(以下「ソニー」とします)の株価は終値で550円高の1万5,520円となりました。
翌日(1月6日)は日経平均株価が845円安と大幅に下落したこともあり、ソニーも1,065円安となってしまいました。
「ソニーブランド」が大きな強みに
現時点では、ソニーのEV参入に対しては評価が分かれるようです。
たしかに現状では量産化の目途や具体的なロードマップなども示されておらず、適正な評価をする材料が不足しています。
以下、あくまで現時点での限られた情報の中での筆者の評価と、今後の展開についての予想を記載していきます。
結論から申し上げますと、EVを量産化まで遂行できるという前提ですが、個人的にはソニーのEV参入はポジティブな評価をしています。
理由の1つとして、ソニーが高いブランド力を有しているという点があります。
今後、おそらく異業種からのEV参入は何社も出てくると思われますが、ブランド力を有していない企業は安売りをするか、参入に際してブランド力を構築していかなければなりません。