儲かるのは米国?ロシアのガス供給が止まればどうなるか
日本のメディアの報道では、自由主義と専制国家との戦いというような、分かりやすい図式での解説が用意されている。そして、事実と、「かつての帝国復活をめざすロシア」というような観測とが混在しているために、かえって実情が見えにくくなってしまっている。
しかし、上記のように、欧米の要人たちはどっぷりとロシア企業に、言い換えれば、ロシア利権に関わっている。しかし、ここで旧リーダーたちだけがやり玉に挙げられているのは、現リーダーたちと利害が対立している可能性すらあるのだ。ハンター・バイデン氏を追求したのが、選挙戦当時のトランプ大統領だったように。
これが示唆しているのは、例えば、ロシア制裁により欧州の天然ガス供給のロシア依存を下げることで、確実に潤うところがあるという可能性だ。
※参考:‘We are a gas superpower.’ Ex-Trump regulator says US natural gas can help Europe – CNN(2022年2月23日配信)
相場では買い手には買い手の事情や意欲があり、売り手には売り手の事情や意欲がある。意欲を伺い知ることは困難かもしれないが、事情は意欲を排除して事実だけを並べて判断すれば、おおよそのことは理解できる。
私はロシア文学をしていた関係で、ロシアにもウクライナにも思い入れがある。両国の衝突には苦い思いがするが、怒りというようなものをどこにぶつけていいかは分からない。双方に深刻な言い分があるからだ。
また、この衝突ではロシアとウクライナの双方が、取り返しがつかないほど傷つくが、そのことで利益を得る国があるようなのだ。
一方、相場に関するならば、ウクライナの他にも深刻な地政学的リスクがある。また、世界の金融政策は13年ぶりに「正常化」に向かっている。それらのことが、今後の相場の方向性に与える影響を知ることは難しいが、ほぼ確実だと言えるのは、上げ・下げのボラティリティが高まるだろうと言うことだ。
その意味では、トレーダーの時代が来ようとしている。
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『相場はあなたの夢をかなえる ー有料版ー』(2022年2月28日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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