次の韓国大統領であるユン氏の動きについて取り上げたい。ユン氏とムン氏では考え方が大きく異なるはずだが、冷え切った日韓関係は改善へ向かうのだろうか。その前哨戦のようなイベントが発生した。とりあえず、日本の教科書への韓国の反発を見る限りでは望みは薄いだろう。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)
※本記事は有料メルマガ『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2022年4月1日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
日本の歴史教科書から『日本軍』『強制』の表現が削除されたと大騒ぎ
韓国はいつになったら他国の教科書が気に入らないからと文句を言うのは、「内政干渉」だと理解するのか。残念ながらユン氏も同じ韓国人だった。
まず、朝鮮日報が、来年高校2年生・3年生になる日本の高校生が使う歴史の教科書から「朝鮮人強制連行」「強制徴用」などの表現が消える。
具体的には、「強制」という単語がすべて削除され、「徴用」や「動員」などの単語のみ用いられることになったと報道。
これで韓国中が激怒しているそうだ。でも、強制連行とか、強制徴用とか。言葉自体が意味不明なのに、わざわざ使用している方がおかしいという。そもそも、そんな言葉が日本語に存在しない。勝手に作らないでください。
それで、韓国外務省が29日に在韓日本大使館の熊谷直樹総括公使を呼び抗議したことを発表し、官房長官の松野氏が反論した。
松野氏によると、韓国側から「竹島問題、旧朝鮮半島出身労働者問題、および慰安婦問題」などについて抗議があったと説明したうえで、「日本の一貫した立場に基づき、抗議は受け入れられない」と強調した。
つまり、韓国から抗議はあったが、日本政府は抗議は受け入れないと。当然である。
同時に松野氏は「わが国の将来を担う子供たちが自国の領土や歴史について正しく理解することは、主権国家における公教育で当然のことだ」と主張。今回合格した「地理探究」「政治・経済」の全教科書で、韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)について「固有の領土」と表記された。
実際、その通りだ。正しく理解してもらわないと、いちいち、ネットで真実を調べないといけなくなる。
ユン氏「当初は発言を控える」→「歴史歪曲に断固として対処」
3月28日、ユン氏は日本の大使と面会して、日韓関係を改善すると発表した。
しかし、その次の日に教科書検定で日本が歴史歪曲を強めたことで、韓国側は1日で日本から不意打ちを食らったとか報道する。韓国メディアはこんな報道をしている。
来年度の高校の歴史教科書の検定結果について「日本の歴史美化が露骨で、歴史が歪曲(わいきょく)を超え“消去”されている」と指摘し、「尹氏は28日に駐韓日本大使と会談し、未来志向的な日韓関係への期待を示していたが、わずか1日でその希望は消え去った。
関係改善はおろか、さらなる状況悪化を心配しなければならない状況に置かれてしまった」と指摘している。
こんな韓国メディアが存在する限り、日韓関係の改善は無理だと諦める日本人が多数だろう。そもそも、未来的思考といいながら、韓国人は過去しか見ていない。歴史問題もリセットされないんだ。いい加減、理解しろよ。
大体、不意打ちも何も、日本は一貫した立場に基づいて教科書検定をしているだけだぞ。まるで、日本が裏切ったかのように吹聴する。韓国メディアはこうやってフェイクニュースを出して反日感情を煽るのだ。だいたい、いつまで内政干渉をするのだろう。
それで、ユン氏側は最初は「発言を控えていた」のだが、韓国メディアが騒げば騒ぐほど対処に迫られて、最後は「歴史歪曲に断固として対処」とか言いだした。つまり、日和ったのだ。
日韓関係改善とかいいながら、数日でポピュリズムに流されたのだ。
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