fbpx

終戦は近い?戦費と戦死軍人数から見えてくるロシア・ウクライナ侵攻の限界点=今市太郎

ロシア軍の戦費は1日2.6兆円超

欧州系のコンサルティングファームの分析では、2月24日からの最初の4日間で280億ドルの戦費がかかったようで、それ以降は1日200億ドルの戦費が延々とかかっている状況のようです。

年間の防衛予算が610億ドル強ですから、これは結構すさまじい数字です。

もともと保有している兵器・弾薬・補給品・ミサイルの発射などで、兵器・武器は相当に消耗していることが見えてきます。

とくに大量保有されていた戦車と攻撃ヘリコプターは相当数が破壊されており、冷静に見ると向こう数年以上、もとの兵器保有レベルには戻らない計算です。

極端な話、もはや「核兵器」しかワークしないという、恐ろしい話も出回り始めています。

わずか2ヶ月で戦死者数は1万5,000人以上

また、ロシアメディアのReadovkaが迂闊にも発表した直近のロシア軍の損害では、ウクライナでは1万3,414名が戦死、7,000名が行方不明、沈没した戦艦モスクワでは死亡者・行方不明者を合わせて216名以上という、かなり大きな損害を出していることがわかります。

英国の国防省も約1万5,000人のロシア兵が死亡していると見積もっているとしていますから、この数字はかなり正しいのではないかと推察されます。

さらに、このロシア兵士の戦死の数字には入らないのだと思われますが、ウクライナに派遣した傭兵8,000名のうち4割近い3,000名も戦死しているとのこと。これを加えると、決してロシアの戦況は有利に展開しているわけではなさそうな状況です。

もちろん、軍隊に所属する人数から考えれば、今回の戦死者はまだまだほんの一部という見方もあります。しかし、アフガニスタン駐留のロシア軍の10年間の戦死者数が1万4,000人であることを考えれば、かなり大きな数字です。

司令官が続々と命を落としている?

この戦争では、たった2か月強で現場の司令官も驚くほど命を落としており、そもそもまともな命令系統が維持できていないとの指摘も出始めています。

ウクライナについては、徴兵したばかりの新兵をいきなり大量投入したと言われており、こうした兵隊がウクライナ市街で結構やりたい放題の略奪や市民の自宅への放火を行っていることもわかってきているようです。

ただ、この新兵たちはチェルノブイリの事故に対する知見がまったくなく、高放射線エリアに踏み入って被ばくしたり、持ち帰ってはいけない放射性物質を土産にして、かなりの被ばくを被っているとの報道も出ており、戦死以外にも大きなダメージを受けた兵士が多数存在することがわかってきています。

Next: 事後には「再建」費用が必要。戦争継続は困難なのではないか?

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー