飲酒運転などの違反が相次いでいる電動キックボードに関して、警視庁は国の実証実験に参加している事業者を集めた会議で、対策強化を要請したと報じられている。
報道によると、警視庁は事業者などに対し、電動キックボードを貸し出す時間の制限や飲食店の周辺での貸し出しをやめるようにといった対策をとるよう、文書で求めたという。
電動キックボードを巡っては、都内で実証実験中のシェアリング事業者のものだけでも、2021年12月以降に酒気帯び運転が8件、信号無視が41件検挙されているという。
カオスな状況はコロナ後にやってくるとの推測も
手軽な移動手段として都市部を中心に利用者が増えている電動キックボード。ただ、確かにそれ絡みの違反も増えているようで、つい先月には「電車がなくタクシー代を使うのも嫌だった」という理由で、酒気帯び状態で電動キックボードをレンタルして乗っていた港区の30代会社員男性が、道交法違反の疑いで書類送検されたといったニュースもあったばかり。
さらに事故や違反だけでなく無免許もかなり多いようで、こちらも先月だが、横浜市内の30代男性が書類送検されたという報道も。この男性は電動キックボードを通販を通じて海外から購入していたとのことで、日本の公道を走るうえで必要な方向指示器やバックミラーの取り付けも怠っていたようだ。
えっ…速くね?街中じゃベンツより速い姉ちゃんの電動キックボードhttps://t.co/kfyzlQ7JkA
— 渚 あおい (@AoIchan_0214) July 4, 2021
電動キックボードがどうとか言われているが、これから乗ろうとしてる人は常に危険と隣り合わせということを自覚してほしい pic.twitter.com/cHmSQRTONM
— ゴリ看 (@kajigorira) April 25, 2022
SNS上ではその危険性を訴える声が多くあがり、特に日頃クルマによく乗るドライバーからは蛇蝎のごとく嫌われている感もある電動キックボード。しかし、その反面で法整備は着々と進んでいるようで、先月19日には電動キックボードに関する道路交通法の改正案が、衆議院本会議にて可決している。
施行自体は2年以内をメドにということで、もうちょっと先のこととなるというこの道交法の改正だが、これによって最高速度20キロ以下に制御された電動キックボードなら、16歳以下を除いて免許不要で運転可能に、さらにヘルメットの着用は努力義務と、規制がより緩くなるというのだ。
このように規制のハードルが下がることで、今後さらに事故などが増えるのは必至……といった見方が少なくないわけだが、さらに状況が悪化するのではと危惧されているのが“コロナ収束後”。インバウンド復活でやってきた外国人たちが、日本の交通ルールに慣れないまま大挙して乗り始めれば、もう収拾のつかないカオスな状況になると、今から心配する声があがっているのだ。
都心の電動キックボードは危険過ぎる。急に横切る、一般車両と同じレーンのど真ん中を走る、歩行者の横を通り過ぎる時も減速しない、イヤホン付けてる…。これで外国人観光客もシェアリングサービスを利用しようものならカオスそのもの。東京都心の昼間の人口密度や渋滞を考えたら禁止が当たり前だよ。
— にこ姉 (@nikone_25) May 16, 2022
今流行りの電動キックボードですが、コロナ後に日本の交通ルールに慣れていない(守る気がない)外国人多数が乗り始めてから混沌がはじまります。
— とく Toku (PC / Mac) (@Toku_space) May 25, 2022
不自然な法改正に“利権絡み”を疑う声
このように、その普及に関しては様々な意見が飛び交っている電動キックボードだが、SNS上などで多くあがっているのが、どうして政府等がこうも普及させたがっているのかといった、素朴な疑問である。
先述の通り危険性を訴える声がこうも多くあがるなかで、法改正までして早急に普及させようというのは、確かに不自然な話。それだけに様々な“利権絡み”を疑う声も、ここに来て多くあがっているところ。
何で法改正してまで、キックボードを普及させようとしてるの?誰の利権が背後にあるの?
免許不要、条件付きで歩道OK…電動キックボード法改正で注意点『今個人が持っている物は引き続き“原付”扱い』(関西テレビ)#Yahooニュースhttps://t.co/sT3TLVuSwX
— 日本応援団 (@EK9bwfrCz6tjsso) May 14, 2022
今、テレビでキックボードシェアがはじまったと見た。へぇって、確か、シンガポールとかでは禁止になったはず。他の国でダメな事を、時間差で取り入れるのは日本のお家芸。自民党MaaS議連PTが「電動キックボードの普及に向けた規制緩和等に関する提言」とな。なんだ利権か。 pic.twitter.com/oCd313ZN90
— さかきゆい (@sakakiyui_S) April 29, 2022
また、CO2削減への取り組みをアピールするための、ある種の“アリバイ作り”のためではないかといった見方も。なかには、このまま電動キックボードが流行れば、それに伴って一般車両が都市部での走行を忌避する流れができ、そうなれば更なるCO2削減に……といった少々穿った推測も、一部からは浮上しているようだ。
電動キックボードを政府がゴリ押しする
・自動車利用減でCO2削減(という建前づけの恣意的データ作りの為)
・電気が必須なので需要増やして太陽光利権者とポッケパンパンがやりたい(あと、ハニトラばらされたくない)
・国民の安全性とか死ぬとかは知ったこっちゃない
これ以外に何かある?— コムソーs2 (@komusogp) May 15, 2022
電動キックボードが流行ればEVの登録台数が増えるのでガソリン車と統計をとって比較し「日本でEVはこんなに普及してますよ、環境問題頑張ってるんです」と諸外国へのSDGs的な言い訳の材料にしたい。
というのが国の本当の狙い…(笑)— たすけ (@kyokkou) May 21, 2022
これは・・・・東京都内から一般車両を追い出そうとしていますね。
電動キックボードが流行れば当然事故の可能性は高い。
そうすると一般車両が都内での走行を控えるようになって、結果としてガソリン車も減り、脱CO2実現! https://t.co/nbn8yFtQ8N— Juunta (@Juunta1) May 15, 2022
このように多くの人々の疑念をよそに、普及へと突き進んでいく電動キックボード。重大事故が続発するといった余程のことにならない限り、この流れは止まらないだろうという見方も多いが、決してそういった事態にはならないことを祈るばかりである。
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