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半導体不足による“エアコン危機”が高齢者を直撃。「昨年以上の猛暑」「電気代高騰による使用控え」で熱中症に倒れる者が爆発的に増える可能性

そろそろ全国的に梅雨入りといったタイミングだが、その後に来る夏は“エアコン危機”といった状況になる可能性がある報じられてる。

報道によると、その原因とされているのは世界的な半導体不足で、これがエアコンの製造にも影響するのではないかという見方が広がっており、都内の家電量販店では“エアコン商戦”が早めに始まっているようだ。

実際、街の電気店の話によると、メーカーのなかにはエアコンの受注もできないという事態も発生しているといい、エアコンを巡る品不足、人不足、材料不足の問題は深刻といった状況のようである。

半導体不足は2024年いっぱいまで続く?

長雨が続いたこともあり、猛暑日が例年よりも少なかった昨年の夏。いっぽうで今年の夏は、先日気象庁が発表した3か月予報によると、ラニーニャ現象の継続によって日本付近には暖かな空気が流れ込みやすいため、気温は平年より高くなる所が多く、いわゆる猛暑が予想されているのだという。

となると、猛烈な暑さを乗り切るために、家庭のエアコンはフル稼働といった状況になりそうだが、もしも不意な故障などでそれが稼働しなくなった際に、修理するにしても買い替えるとしても、夏本番のタイミングだと家電量販店や街の電気店がなかなか対応してくれないというのは、例年よく聞く話。

そこに今年は半導体不足によって製品が足りないという状況も加わり、買い替えがままならないといった、より大変な事態になりそうだというのだ。

そもそも、半導体不足の問題がクローズアップされ始めたのは2020年の後半ごろ。その原因は様々指摘されているが、新型コロナの世界的な感染拡大によって、需要が減少すると見越した半導体メーカー各社が、その生産や設備投資を抑える動きに出たものの、実際には早々に半導体の需要が急増したことにより、需要と供給のバランスが大きく崩れてしまったというのも、ひとつの原因とされている。

半導体メーカー各社は増産体制の構築を急いでいるとはいうものの、半導体の製造は難しいため、そう簡単に生産能力を増強できるわけではないという。実際、インテルのCEOを務めるパット・ゲルシンガー氏は先日、昨今の半導体不足の状況について「個人的には2024年いっぱいまで続くと予想している」との見解を示しており、その影響は相当の期間続きそうなのだ。

そのためエアコンに関しては、とある家電量販店からは、今のところはある程度の在庫が確保できているものの、それが無くなったら次にいつ入ってくるのかが分からない、といったも。そのため、今シーズンまだエアコンを稼働させてないというご家庭に関しては、すぐにでも試運転を行って、正常に動くかどうかを早めに確認しておいたほうがいいと呼びかけられている状況だ。

電気代連続値上げでエアコンの使用控えも進行か

いっぽうで、日中だけでなく朝晩など一日を通して暑い夏の日々となると、エアコンを一日中付けてのフル稼働も余儀なくされるところだが、今夏はそれも憚られる状況となりそうである。

というのも、電力大手10社は27日、7月の電気料金について、標準家庭のケースで東京電力では306円、中部電力では260円上昇するなど、4社が値上げすると発表。コロナ禍からの経済回復に伴う需要拡大、ロシアのウクライナ侵攻、さらに円安などで火力発電の燃料費が高騰していることが原因で、これで電気料金の値上げは11か月連続となったというのだ。

このような状況とあって、SNS上などで大いに取沙汰されているのが、エアコンの“使用控え”により、熱中症で倒れる者が続出するのでは、といった恐れだ。

特に高齢者のなかには、冷たい風を浴びると体調を崩してしまうといったエアコンへの嫌悪感を抱く方が結構多いというが、それに加えて昨今の電気代の高騰を理由に使用控えが進めば、そういった大変な事態の発生も大いに考えられるというのだ。

消防庁がまとめたデータによると、昨年の5月~9月にかけて熱中症で救急搬送された人数は、全国で4万7877人に及んだというが、年齢層別でみるとやはり満65歳以上の高齢者が搬送されるケースが最多で、さらに発生場所に関しては「住居」が最も多いのだという。今年は昨年に比べて暑い日が多く、さらにエアコン自体の品薄にくわえて電気代高騰による使用控えも増えそうな状況となれば、この数が爆増するのも大いに考えられるところだろう。

Next: 「半導体不足の影響を身近に感じるようになってきた」

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