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「チャーシューメロンパン」が流行の兆し?有名店も相次ぎ閉店する中華街を救う新名物との期待も「食べ歩きの若者客は店に入らない」という悲しい現実

菓子パンの定番であるメロンパンのなかになんとチャーシューを入れたという、その名も「チャーシューメロンパン」なる食べ物がここに来て突如トレンド入りし、ネット上を騒然とさせているようだ。

甘いメロンパンとしょっぱくて肉々しいチャーシューが果たして合うものなのかと訝しむ声も多いいっぽうで、食べたことのある人からは「あまじょっぱくて新鮮な味」「初めてマックグリドルを食べた時の様な衝撃」などと、その味わいは一抹の違和感はあるものの、なかなか悪くないといった感想が多い模様。

日本では2018年頃から話題になり始めたというチャーシューメロンパンだが、2020年にはローソンが商品化したこともあり、徐々に知名度が上昇。最近では中華街での“食べ歩き”フードの新定番となりつつあるといい、さらにネット通販でも取り扱うところがこのところ増えているようだ。

コロナ禍で超有名店も閉店と苦境の中華街

3年ぶりに新型コロナによる行動制限がない状況で迎えた先のゴールデンウィークには、久々に以前のような賑わいが戻ったという横浜中華街だが、その光景もここ10年ぐらいでかなり様変わりしたといった声も多い。

具体的には格安な食べ放題店の乱立が進行し、さらに今回のチャーシューメロンパンもそうだが、若者などの食べ歩き需要に沿ったテイクアウト店が幅を利かせるようになるなど、いわば“原宿”のような様相だというのだ。

そんな横浜中華街の現状を象徴するような出来事として、つい最近大きな話題となったのが、現存する国内最古の中国料理店として知られる「聘珍樓横濱本店」が移転のため閉店するというニュース

もともと以前から移転の予定があったという聘珍樓だが、コロナ禍で中華街全体の経営が落ち込むなか、その時期を前倒ししたといい、移転先や移転後の開業時期などは未定とのこと。これに対し利用者などから「中華街のシンボルが一つ失われる」と惜しむ声が多くあがっているというのだ。

実際、2021年からの1年間で約40店舗の料理店が閉店に追い込まれるなど、他の飲食店と同様に厳しい状況が続いているという横浜中華街。特に7階建てビルで営業していた聘珍樓のような大箱、しかも高級路線の店は、社用などでの大人数の会食がご法度とされる状況下が、相当な向かい風となったことは想像に難くない。

さらにいえば、日本にいながらにして本場中国の料理が味わえるというのが、横浜など旧来からある中華街が持っていた観光地としてのウリのひとつで、1884年に開業した聘珍樓もその一端を担ってきたわけだが、最近では旧来からある中華街以外にも、都内なら池袋や高田馬場など、さらには埼玉の川口といった、中国人が多く住み集うエリアにも、本格的な中華料理店が多く存在している状況。

それらが最近では、食道楽な日本人の間で「ガチ中華」「マジ中華」と呼ばれ、大いに話題となっているのだが、それに伴って旧来からある中華街の存在意義はかなり薄れつつあるというのだ。

“食べ歩き”客は飲食店にはあまり入らない?

このように苦境が続く中華街にとっては、今回取沙汰されているようなチャーシューメロンパンが流行の兆しだという状況は、今後の街のさらなる賑わいを呼ぶものとして、まさに吉報だと言えそうなのだが、実際のところはそうは甘くはないといった声も。

というのも、近年増えている食べ歩きメインの若者層は、中華街にやって来ても買い食いするばかりで、中華料理店には入らないといった傾向があるようで、旧来から店を構える飲食店の売上にはあまり寄与していないという話もあるのだ。

コロナ禍の苦境からの復活、さらに時代の変化を受け入れつつも新たな存在価値を見出していきたい中華街ではあるものの、その道はまだ半ばといったところのようだ。

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