少子化要因としっかり向き合う必要
一般的に言われている「少子化」の要因として「出産期女性人口減少」が挙げられます。
晩婚化なども言われますが、なぜ結婚しないか、結婚できないかという根源には経済的理由が強いと思われます。
たしかに、子育て環境を改善し、子育てにかかる費用を軽減し、子どもを産んだ後も働きやすい環境を整えることは大事です。それはフランスやスウェーデン、ハンガリーの実例からも明らかなことです。
でも、そういった環境を変えたとしても、肝心の若い世代には、将来不安が強くあるように思えるのです。
40歳代以上の人の将来不安は「老後」に関することが多く、「健康」もあるかもしれませんが、20歳代の若者の不安は、もっと漠然とした「生き方」への不安だったり、もっと現実的な「目の前の生活」「明日の飯」であったりします。
もちろん老後不安もあるのでしょうが、そんな遠い未来よりも目の前の自分の姿、近未来の自分の将来像が見えなくなっているような気がします。
まさに、数年後の未来も描けない状況で、老後なんて遠くかすんで不安を感じる以前の問題になっているのかもしれません。
・給料が上がらない
・将来の生活が見えない
・今を生きるのに精一杯
……こんな状況で家族を持とうとか子どもを育てようということは、考えられないですよね。
ロールモデルがない。私たち大人の責任もあるかもしれません。寂しい、丸まった背中をたくさん見せてきましたからね。40歳以上の大人の諸君、若者の見ているところで“ため息”ばかりつくのはやめよ…。今の社会が、ましてや政府が、若者に明るい未来を示していない中で、結婚という他人の人生を背負う責任なんて持てる訳がない、ましてや子どもを育てるということは考えにも及ばないのでしょう。
保育無償化も待機児童をなくすことも、男性の育児休暇取得促進もわかりますが、もっと根本的な部分の改善、それこそ経済的な問題も含め、いろんな要素が重なり合い、年金問題だって昇給の問題や雇用環境、非正規雇用が増えていることも関係してはいませんか。
社会に明るい材料が見えず、未来に夢が持てなくなっているのだと思います。
単に出生数数が減少しているという数字の話ではなく、その背景にある闇のような部分が大事なのではないでしょうかね…。
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』(20232年1月23日号)より
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