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7月末まで日本当局の円売り介入は難しく、またその必要性もない理由=矢口新

市場介入の実際

ここで、当局がどのように介入するかに触れておこう。

当局の市場介入は、証券でも為替でも、大手の業者を通じて行っている。証券ならば野村證券など。為替ならばメガバンクや大手外銀、外為ブローカーだ。私は1995年に当局者がミスター円と呼ばれるようになった80円台での市場介入を、当時勤めていたスイス・ユニオン銀行(UBS)で目の当たりにした。
私がスイス・ユニオン銀行で目の当たりにした「為替介入」の現場=矢口新

もっとも、私自身はポジション・テイカーと呼ばれる銀行の資金で収益を追求する立場だったので、当局の介入動向とは利害が一致するため、見えないファイアウォールに隔てられており、直接には知る立場にはなかった。

金融機関にはディーリング・ルームにも財務省担当(当時は大蔵省;MOF担と呼ばれる)や、日銀担当がいる。私は証券会社で外債ディーラーをやっていた時には、日銀担当でもあった。日銀は外貨の出入り状況を日々チェックしているので、当社が提出した機関投資家相手の売買報告書の内容について、日銀の担当者から毎日質問を受けた。

日銀の外為市場介入は財務省の指示のもとに行われる。まずは、MOF担を通じてレートチェックが行われる。当時のUBSでのMOF担は、ディーリング・ルームのNo2、日本人ではトップの人が行っていた。レートチェックは、MOF担がマーケット・メイキングを行うスポットディーラーに尋ねるので、ディーリング・ルーム内の人間には、分かることになった。

その時、80数円台で行われた円売り・ドル買いは、過去最大、年間の貿易黒字を上回る膨大な規模で、その後の160円までの戻しのきっかけとなった。

大規模介入なら125円台もあり得るが

さて今回、仮に大規模な円売り介入が行われれば、少なくとも2015年の高値125円台後半までのドル高円安があってもおかしくはない。果たして、そんな介入ができるだろうか?

Next: 当面、円売り介入はできず、またその必要性もない理由とは?

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