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7月末まで日本当局の円売り介入は難しく、またその必要性もない理由=矢口新

日本の貿易収支は許容範囲

ドル円レートの長期トレンドに最も大きな影響を与えるものは、日本の貿易収支だ。その理由はまたの機会にご説明する。2011年にドル円レートが底打ちしたのは、その年から貿易赤字に転じたことが主因だとだけ、理解していて頂きたい。

貿易収支とドル円レート

貿易収支とドル円レート

その貿易収支が、まだ大きくはないが黒字に戻って来ている。つまり、既に円高圧力には転じてはいるものの、まだ、大規模な介入が必要だという規模ではない。

日米金利差によるドル高を米利上げ観測がサポート

また、中期トレンドは日米金利差に大きな影響を受ける。日米の10年国債同士、2年国債同士、どちらかの利回り較差が広がると、ドル円が上昇する傾向が強い。もっとも、日銀のマイナス金利政策導入以降は、日本のマイナス金利がさらに低下しても、実質的にマイナス金利で調達できるところはほとんどないので、見た目の金利差ほどには、実質的な調達・運用の金利差は広がっていない。

この実質的な金利差が拡大するには、日本金利の低下ではなく、米金利の上昇が必要なのだ。

日米金利差とドル円レート

日米金利差とドル円レート

ここで、先週相次いだ、米政策金利の6月利上げの可能性を高める発言は、実質的な調達・運用の金利差を広げることになるので、ドル円レートをサポートすることになる。

一方で、IMM通貨先物市場にみる投機筋のポジションは、年初来ドル円ショートに傾いている。それが3週連続でショートの買い戻しが入っており、それがこのところのドル円レート反発の主因となっている。

IMMのポジションとドル円レート

IMMのポジションとドル円レート

ショートが買い戻されているのは、G7サミットを前にしたポジション調整、介入警戒感、そして、先週月曜日には4%でしかなかった米金利先物にみる6月利上げ予想が、米連銀議事録と、相次ぐ地区連銀総裁の発言で、4割近くにまで急上昇してきたためだ。

1ドル105円あるいは100円近辺が防衛ライン

日本の当局が円売り介入を行うとすれば、ドル円レートが105円を割り込んだ時、あるいは100円近辺となった時かと思われる。そうでない場合に行えば、「為替レート監視リスト」に載せている手前、米当局を強く刺激することになる。

また、米連銀が6月、あるいは7月に利上げするとすれば、日米金利差拡大によるドル円レート上昇が期待できるので、それまでに介入リスクを取り、米当局を刺激する必要はない。

Next: 現時点での介入は得策ではない/将来的には効果発揮の下地あり

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