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転身に逮捕も…国内アナウンサー業界が急速にオワコン化。勝ち組はひと握りで凄まじい栄枯盛衰の現実=今市太郎

NHK武田真一アナウンサーの民放転身が話題になり、ひと昔前は栄華を誇っていたはずのこの業界にも異変が起きていることが感じられるところです。なにより、その異変にもっとも早く気が付いているのが当のアナウンサーということですから、積極的にキャリアチェンジを図る向きが多いのも頷けるところです。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年2月25日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

放送業界の寿命は近い?

今からは遠い昔である1980年代初頭、本邦のある経済紙が「会社の寿命30年説」を発表してかなり話題になった時期がありました。

それが本当に現実のものとなってしまった斜陽産業や特定企業が登場して現実味が固まった記憶もありましたが、「放送」といった業界は当分廃れないものと思われたものの、とうとうこの業界にも淘汰の荒波が訪れていることを感じさせられる状況が露見しはじめています。

放送局というのは、キー局であっても50年近く正社員の雇用数が少ないこともあって、もともと狭き門として知られてきたもの。

なかでも専門職であるアナウンサーについては、その極めつけのような状態で、凄まじい倍率の採用試験が待ち構えています。

とくに東京の民放キー局の局アナに採用されるというのは相当な難関で、とにかくこうした主要局の局アナに正社員として採用されれば、男女ともに将来がかなり約束されることになると思われたものでした。

それは国内唯一の全国放送局であるNHKのアナウンサーも同様で、全国ネットの看板番組のアナウンサーから民放に転出して大成功を収めたNHK出身アナウンサーも過去には相当数みられたものです。

しかし、放送業界が2000年をピークにして衰退を始めた今、この狭き門を通過したはずの局アナが選択できるキャリアパスはどんどん狭まっており、状況は一変していることが伺われる状況です。

NHK武田真一アナウンサーが民放に転身のサプライズ

武田真一氏といえば55才で1990年にNHKに入局、『NHKニュース7』のメインキャスターとしても知名度が高く、『クローズアップ現代+』でキャスターとなったことでも知られる人物。名前を知らない人でも、顔を見ればNHKの代表的なニュースアナウンサーであることはすぐに認識できる存在でした。

そんな武田氏はこの2月いっぱいでNHKを退職してフリーに転身することがあらかじめ伝えられていましたが、間髪をいれずに日テレが4月からスタートする新情報番組『DayDay.』(月~木曜午前9時~11時10分・金曜午前9時~10時25分)のメインMCとなることが発表されて、業界では相当な驚きとなったようです。

日中の帯番組ですから出演回数も多く収入は一気に億単位に跳ね上がるようですが、一般的に局アナが収入を維持するためには、会社員時代の4倍は稼がないと同水準の年収を維持できないとされるこの業界でも、さすがに収入倍増は間違いなさそうな状況です。

NHKからの華麗な転身というのは過去に比べるとかなりその数が減っていますが、2021年に定年退職後すぐにテレ朝・報道ステーションのメインMCに抜擢された大越健介アナも記憶に新しいところです。

こうした華々しいサクセスストーリーは年を追う毎に少なくなっており、NHKのアナウンサーや記者の数から考えれば相当限定的なものになりつつあることがあらためて理解できます。

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