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相場の「5分の1」議員宿舎の安すぎ家賃“さらなる値下げ”に渦巻く批判。維新以外は賛成で決定と議員特権死守のためなら足並み揃う与野党に広がる失望

都心にある国会議員用の議員宿舎のひとつ「麹町議員宿舎南棟」の家賃が、この4月から引き下げられると報じられ、批判の声が渦巻く展開となっている。

参院議員用の宿舎である麹町議員宿舎南棟だが、現行の月額9万2,210円から2,568円減額され、8万9,642円になるという。先月27日に行われた参院議院運営委員会では、この件について日本維新の会は反対したものの、他の与野党による賛成多数で決まったとのこと。

麹町議員宿舎南棟は1997年に完成し、現在築25年が経過。間取りは2LDKで75平方メートルの広さを有するという。

同条件の物件を普通に借りれば50万円台はザラ?

国家公務員宿舎法に準じて決められている議員宿舎の使用料だが、そこには建築から5年ごとに使用料を見直すという規定があるようで、完成から25年経つ南棟は、それに基づいて今回の値下げが行われたとのこと。

ちなみに参院議員用の宿舎は、今回取沙汰されている麹町議員宿舎以外にも、すぐ近くに清水谷議員宿舎が存在し、こちらは2020年からの入居開始とかなり新しい。それだけに家賃のほうは3LDK(81平方メートル)で月額15万8,006円、1LDK(56平方メートル)だと同10万9,239円と、麹町議員宿舎よりはお高めに設定されているようだ。

とはいえ、実際に東京メトロ麴町駅周辺で間取り2LDKで面積75平方メートル程度の物件を借りようとすれば、家賃はだいたい40万円台後半から50万円台は普通にするようで、築浅な物件だと70万円にまで跳ね上がることもある模様。

そういった当地の相場から考えれば、築25年と少々古くなっているとはいえ、10万円を大きく割り込む8万9,642円という新家賃は、リーズナブルを通り越して最早何らかの闇を感じてしまうほどの安さといったところ。

というよりも、そもそも清水谷議員宿舎の家賃ですら、一番値が張るであろう新築時に相場の3分の1~4分の1ほどの価格に設定されている時点で、相当におかしいと言えそうである。

維新以外の与野党は諸手を挙げて賛成

つい最近だと、昨年3月に衆院議員用の赤坂宿舎が今回と同じく築5年が経ったという理由で値下げされたことに対し、批判の声が渦巻いたこともあるなど、事あるごとに取沙汰されている感のある“議員宿舎格安すぎる”問題。議員宿舎の存在自体を否定する声はそれほど多くないものの、その格安な家賃を含めた議員への特権が、やはりまだまだ手厚すぎるのでは……というものだ。

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今回も当然のように「国民感覚からかけ離れている」「自分たちには甘い」との総ツッコミ状態となっているのだが、折しも物価高の影響により生活に余裕がなくなっている人々が増えていることもあり、それにくわえ特に都内では空前の不動産高騰が続き、中古マンションなどでも価格がさほど値崩れしないといった状況下で、議員宿舎だけはそんなことなどお構いなしにどんどん安くなることに、なおさら理不尽さを覚えるという向きも多いようだ。

さらに防衛費や子ども・子育て政策への予算で、今後の増税は不可避といった話になっているところでの議員宿舎の値下げということにも、苛立ちを覚える声もあがっているのだが、そのいっぽうで取沙汰されているのが、今回の家賃値下げに関して与党の自民・公明はともかく、維新を除く野党各党も賛成しているという点。

結局は与党も野党も、自らの議員特権だけはがっちり守りたいという、いわば同じ穴のムジナなのか……そんな失望の声も、SNS上では少なからず広がっているようだ。

Next: 「国民から巻き上げた金はこういうことに使っているんですね」

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