トランプ氏が共和党の大統領候補にほぼ決定。本選でも健闘して、大統領当選となる可能性も出てきました。また6月には、英国のEU(欧州連合)離脱を巡る国民投票が実施されます。それぞれが世界経済に与える大きなリスクについて、メルマガ『週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』が解説します。
現実味を増してきたトランプ大統領誕生、英国EU離脱の2大リスク
トランプ大統領誕生を警戒しはじめる市場
1年前は泡沫(ほうまつ)候補だったトランプ氏が共和党の大統領候補にほぼ決定。本選でも健闘して大統領当選の可能性も出てきています。
実際に「トランプ大統領誕生」となると、どうなるか?
米国経済、世界経済に大きなリスクとなりそうです。市場はそのリスクをこれから織り込むことになるでしょう。もともと発言に一貫性がなく、言っていることが「朝令暮改」のようにくるくる変われば、米国への信頼減退は避けられません。
トランプ氏は経営する不動産会社を、これまで4回も破産させています。社債で資金を集めて不動産開発に成功すれば社債保有者に利益還元、失敗すれば破産。この方法を連邦財政にも適用できるとトランプ氏は発言しており、米国債への信頼は減退して金利急騰、米国景気も世界景気も大幅後退という悪夢のようなシナリオも想定されます。
また、トランプ氏は米国の「孤立主義」を主張しています。海外不干渉主義で、軍事・安全保障の環境も様変わりする可能性があり、世界を混乱させることも大いにあり得ます。
安保環境の変化は投資や経済の考え方にも大きな変化を与える可能性があります。投資家が安心して投資できないと考えれば、どうなるか結果は明らかです。
大統領本選はあと半年足らず(11月)で結論が出ます。トランプ大統領実現の可能性が高まるほど市場は身構えることになるのではないか、と考えています。
ポジション縮小を視野に入れておくべきかと思います。
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