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DHC創業者、新聞折込チラシで料理人とメイドを募集か。その応募条件と報酬が物議を醸す一方「金はあっても人脈がない?」との皮肉な見方も

「警備員10人」「時給6,000円」などのパワーワードが躍る、プロ料理人とメイドを募集する新聞折り込みチラシが、SNS上に投稿され注目を集めるなか、その募集主がどうやら「DHC」の創業者として知られる人物ではないかということで、大いに話題となっているようだ。

チラシは浦安市などの千葉県内にくわえ、都内の一部にも届くなど広範囲に配布されていた模様。ぱっと見では、なんてことのない求人チラシのようだが、料理人には時給6,000円、またメイドには同4,000円と相当の好待遇。

いっぽうで料理人の募集条件を見ると、例えば和食料理人のほうは“伝統ある旧家で育ち、母か祖母から20年以上料理を学び、本当においしい出汁を作れてうま味の本質を分かっている方”とあり、なかなか高いハードが設定されてる。

また勤務環境に関しては“浦安市の閑静な高級住宅街にある敷地面積約1,000坪の美しく豪華な邸宅”とあり、また“警備員10名による安心できる環境”“家族は夫婦2人、愛犬のラブラドール1匹”などとも記載されている。

このことからも、かなりの富裕層家庭による募集だろうと見られていたのだが、地元民などの情報などを総合すると、どうやら化粧品やサプリメントの製造・販売で著名なDHCの創業者である吉田嘉明氏の邸宅で間違いなさそうということで、さもありなんといった反応があがっているところだ。

ヘイトスピーチで度々話題に

吉田嘉明氏といえば、大学の研究室向けに洋書の翻訳を手掛ける会社として、DHCを立ち上げたのが1972年のこと。

その後、基礎化粧品などの通信販売をはじめたことで事業規模が飛躍的に拡大し、業界内でも最大手の企業と目されているわけだが、そんな目覚ましい成長ぶりも、長きに渡り同社を牽引してきた吉田氏の辣腕ゆえと言っても過言ではないところだ。

ただ、そのいっぽうで吉田氏といえば、近年では在日コリアンおよび韓国系帰化日本人に対するヘイトスピーチを、DHCのホームページ上やマスメディア上などで幾度となく展開。また、健康食品市場におけるライバルでもあるサントリーに対しては、“チョントリー”と揶揄するなど、その数々の差別的発言が何度もなく取沙汰されることに。

その度にSNS上ではDHC製品に対して不買を呼びかける声があがったほか、2021年にはふるさと納税の返礼品にDHC製品を採用していたさいたま市が、「返礼品として、ふさわしくない」として、登録を取り消すといった出来事もあった。

また1972年の創業より約50年に渡りDHCを経営してきたことから、社内でもそのワンマン・専横ぶりは際立っていたようで、過去には一部週刊誌に、社内文書で名指しで特定の社員を批判したうえで、その解雇を仄めかすといったパワハラ紛いの行為を度々行っていたと、告発される記事も載ったこともあった。

しかし、そんな吉田氏の“独裁体制”が唐突に終わりを迎えたのが22年11月のこと。健康事業の強化を目指すオリックスが、DHC買収のために、同社株の過半数を保持していた吉田氏と株式譲渡契約を締結。その際に「人種などあらゆる差別を容認しない」と宣言していたオリックスは、子会社化したDHCに役員を送り込み、吉田氏はDHCから去ることとなったのだ。

条件を勘案すれば報酬は安い?

過去には高額納税者名簿にも名を連ねるなど、日本を代表する資産家としても知られる吉田氏。さらに昨年のDHC買収に関して言えば、オリックスは総額で3,000億円もの資金をつぎ込んだということで、吉田氏にはその大半が渡っているのは間違いなく、DHCから退いた今でもとんでもない富豪であることは間違いのないところ。

ただ、SNS上では“メイドに時給4,000円、料理人に同6,000円”という報酬が、果たして実際に割に合うのかを巡って、かなり紛糾している様子。特に料理人に関しては、先述の通り和食料理人は20年以上、中華料理人に関しては10年以上のキャリアを最低条件として提示しているほか、その他の“伝統ある旧家で育ち”“うま味の本質を分かっている方”などの細かい要望を勘案すれば、時給6,000円という報酬は安すぎでは……との声が多いようである。

またメイドに関しても、仕事内容としてチラシに記されているのは、料理の片づけや掃除・洗濯、さらに犬の散歩といったところなのだが、報酬額が報酬額なだけに「でもたぶん相当きつい仕事なのかもしれない」「セクハラ込みかな?」などと、逆に身構えてしまう反応も。もっとも、先述したようなDHC社内での“横暴ぶり”が、家庭内でも大いに発揮されるのであれば、その予感はかなり鋭いといったところだろうか。

しかしながら、そんな報酬の是非と同様に物議を醸しているのが、どうしてそういったある意味でハイスペックな人材を、吉田氏はなぜ新聞折り込みチラシで探そうとしたのかという点。

今回提示されているような高い技能を持つ料理人なら、やみくもにチラシを撒いて募集をかけるよりも、何らかの伝手で探した方が話が早いはずなのに、どうしてそうしないのだろうといった疑問の声は多数あがっており、なかには「金はあっても人脈がない?」といった見方までも、一部からは浮上しているようだ。

さらにいえばメイドに関しても、自宅に警備員を10名も配するほどの用心深さにもかかわらず、なぜ新聞折り込みチラシでどこの馬の骨とも分からない人間を雇おうとするのかも疑問といえば疑問。何かと条件が細かい料理人はともかく、メイドに関しては一部の用心深い向きはおいとき、その高額な報酬に釣られて応募数はかなりの数となりそうだが、果たして吉田氏らが満足するような人材が集まるかどうか、下世話ながら大いに気になるところである。

Next: 「この程度の報酬しか支払えないのは富裕層とは言えないだろう」

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