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インボイス制度で声優“大量廃業”の危機、アニメ業界は衰退必至か。クールジャパンの目玉産業をなぜ見殺しに?=今市太郎

10月1日から実施が予定されており、今のところ止められる見通しがまったくたっていない「インボイス制度」。実はこれが始まると、国内の声優業界ではフリーの声優たちの仕事が立ち行かなくなり、廃業を決断する人も激増し、アニメ業界は深刻な状況に直面しつつあります。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年7月2日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

10月開始「インボイス制度」で声優の3割が廃業?

10月から実施が予定されており、今のところ止められる見通しがまったくたっていないインボイス制度。

実はこれが始まると、国内の声優業界ではフリーの声優たちの仕事が立ち行かなくなり、廃業を決断する人も激増し、アニメ業界は深刻な状況に直面しつつあります。

『ガンダム』シリーズなどのアニメプロデューサーの植田益朗氏、『機動戦士Zガンダム』エマ・シーン役で知られる声優の岡本麻弥氏、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』キャラクターデザインや『呪術廻戦』総作画監督を務めたアニメーターの西位輝実氏らは6月22日、東京の日本外国特派員協会でインボイス制度の中止を求める記者会見を開きました。

その中の発言では、インボイス制度の導入によって実に国内声優の30%が廃業を検討するという厳しい話もでてきています。

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国内声優にとっては適格請求書発行事業者になるのは至難の業

インボイス制度を乗り越えるなら「課税事業者になればいいだろう」と気楽なことを言う向きが多いのには閉口させられます。

まず、この課税事業者になるためには「適格請求書発行事業者」の登録が必要となります。

しかしながら、その登録適用要件は「年間の課税売上高が1,000万円以上」であること、「正しく帳簿を記帳していること」となっています。

若手声優にとってはとてもクリアできず、結果的に取引先から消費税の仕入税額控除を受ける
ことができなくなり、自動的に消費税分の所得が減額されるという危機に直面することになるわけです。

Next: クールジャパンの目玉コンテンツだった「アニメ」に衰退の危機…

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