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トイレ修理「最安値220円~」と謳うも実際は高額請求。消費者庁が悪徳業者の公表に踏み切るもすでに看板を掛け替え“復活”との報告が

ウェブサイト上には格安の工事料金を謳いながら、実際に依頼すると高額な料金を請求するといった手口で、被害者が続出していたトイレ修理業者が、消費者庁によって事業者名を公表される事態に至ったようだ。

消費者安全法に基づき公表されたのは、「水の関東24」というウェブサイトを開設していた、東京都台東区に所在する「RS設備」という事業者。報道によれば、サイトには「最安値220円~」などと表示しており、依頼後はまず数千円から数万円の料金を示したうえで作業を進めるものの、「追加工事が必要」などと言い、最終的に一般的な工事費の数倍の料金を請求していたという。

都内の消費生活センターなどには、同社絡みの相談が昨年7月~今年5月にかけて355件寄せられたといい、被害総額は約5,892万円にのぼったという。

80万円請求されたケースも

トイレ修理に限らず、他にも水漏れの修理や鍵のトラブルなど、消費者の焦りにつけ込んでの、今回のような高額請求を行う悪徳業者は絶えないといったところ。

本来トイレなどの水道関係のトラブルであれば、自治体のサイトをチェックあるいは直接役所に問い合わせたうえで、地元自治体が指定する水道工事業者に頼むというのが、少なくともぼったくりには遭わない方法だということだ。

とはいえ、例えば夜遅い時間のトラブルだった場合など、特にトイレの故障となると迫りくる便意もあって、一刻も早く直したいという思いから、ネット上を探してみれば、24時間対応でさらには修理費用も格安のように表示されているということで、ついついその手の業者に頼んでしまう……といったケースが増えてしまうといったところのよう。

ちなみに、先述の355件の相談で被害総額は約5,892万円ということで考えると、平均的な被害額は15万円程度ということになるが、実際のところだとおよそ80万円請求されたといった、相当悪質なケースもあったようだ。

消費者庁と悪徳業者とのいたちごっこ

いっぽう、今回事業者名を公表されてしまった事業者なのだが、一部報道によれば消費者庁に対して、すでに廃業していると説明しているようで、実際「水の関東24」のウェブサイトはすでに削除されている。

ところが、この「水の関東24」に記載されていた電話番号とまったく同じ番号を掲げた、同じくトイレ修理業者のサイトが、すでにウェブ上には存在しているとの話も。

当該サイトを見てみると、画像の一部は写真素材サイトのサンプルをそのまま用いたもののようで、さらに「特定商取引法に基づく表記」の欄には、事業者名から代表者名まで何も記載されていないという、まさに怪しさ全開といったもの。とはいえこのように、消費者庁が事業者名を公表するといった強硬手段を取ったとしても、看板を変えてウェブサイトさえ新たに設ければ、事もなげに復活することが可能だということなのだ。

これではまさに消費者庁と悪徳業者とのいたちごっこ……というより、消費者庁の対応が後手後手だとも見えてしまうところ。そんな消費者庁のリリースには、今回のような悪徳業者に引っかからないためのアドバイスということで、サイトに書かれた低料金を鵜呑みにしない、請求額に納得できない時は料金を支払うことに慎重になりましょう……といったポイントにくわえ、「普段から簡易トイレを数日分備蓄」といったことまで書かれているよう。

とにかく、この手の悪徳業者が一掃されることは難しいとなれば、我々消費者がより警戒をし、自衛するしかないといったところのようだ。

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