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2030年、雇用の6割が「AI」に奪われる…消える職業・残る職業は?解決策として急浮上するベーシックインカムとその導入時期=高島康司

失われる仕事の種類

これを見ると、AI導入のインパクトがどれほど大きいかよく実感できる。日本でも職種にかかわらず、2030年頃になると、現在と同じ仕事に就けている保証はないと考えた方がよいのかもしれない。

では、どういった仕事が消える可能性が大きいのだろうか?以下がこの調査が明らかにした将来AIやAIボットに取って代わられる仕事のリストだ。

<取って代わられる仕事>

・カスタマーサービス
・簿記とデータ入力
・受付
・校正
・製造・製薬
・小売サービス
・クーリエサービス
・医師
・教師
・法律業界の仕事(弁護士、弁護士アシスタント、法律文書の作成)
・会計士
・グラフィックデザイナー
・兵士
・タクシー・バス運転手
・市場調査アナリスト
・ファイナンシャル・アドバイザー
・ソフトウェア開発者
・ライター
・トレーダー
・警備員

これは現時点ですでにAIの導入で脅威にさらされている仕事だ。しかし、将来取って代わられる仕事を含めると、リストははるかに長くなるに違いない。

反対にこの調査では、数は大幅に少ないものの、AIに取って代わられるのが困難な仕事もあるとされている。以下がそのリストだ。

<取って代わられない仕事>

・人事マネージャー
・最高経営責任者
・広報マネージャー
・プロジェクトマネージャー
・科学者
・聖職者
・精神科医
・イベントプランナー

たしかにこのリストを見ると、AIやAI搭載ボットが取って代わることは困難な印象を持つが、AIの進歩と発展はあまりにも目覚ましいので、こうした仕事もいつ取って代わられることになるか分からないだろう。

労働では食えない社会、社会モデルの変化

AIとAI搭載のボットの導入の影響力がここまで大きいと、これは、我々の知る既存の社会のモデルを根本から覆す可能性がある。我々の住む現代の社会は身分制ではなく、基本的な人権を持つ自由な個人によって構成される社会である。

そうした社会では、個々人は労働で報酬を得て、生活を維持することが基本原則になっている。つまり、労働を通して社会参加する形態である。これは、すでに定められている世襲的な身分によって所得が保証され、社会における位置が決定している身分制の社会とは根本的に異なる特徴だ。労働による社会参加は、現代社会のもっとも重要な基本原則になっている。

しかし、AIの導入によって、現代社会のこの基本原則が本格的に危うくなっているのだ。つまり、労働による社会参加ができなくなる社会、労働の報酬では生活を維持するのが困難な社会である。

すでに先進国では、格差の拡大から低賃金労働の職種が一般化し、食えない人口が増えているが、この波はこれまでは比較的に安定していた専門職にも及ぶ。上の統計が事実であるなら、労働人口の6割程度の人々が労働では食べられないことになる。

Next: 社会の維持にはベーシックインカムしかない?

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