居酒屋チェーンの「鳥貴族ホールディングス」が、社名を「エターナルホスピタリティグループ」に変更すると発表した。
報道によれば、10月の株主総会で承認されれば、来年5月1日から新社名になるとのこと。傘下の焼き鳥居酒屋チェーン「鳥貴族」やダイキチシステムが展開する「やきとり大吉」の店名は変わらないという。
社名変更の理由は、同社が今後見据える本格的な海外展開のためだという。
ロゴマークにもある「∞」のマーク
庶民価格のメニューで幅広い層に愛されている鳥貴族。その名はすでに高い知名度を誇るだけに、その突然の社名変更にSNS上では「もはやどこの会社かわからなくなった」「セーラームーンの必殺技みたい」などと、どちらかというと戸惑いの声が広がっている状況。
もはやどこの会社かわからなくなった
— ペンちゃん⚡️トレカ予約/抽選/再販/販売情報 ポケモンカード151/黒炎の支配者/バイオレット (@penchanTCG) September 22, 2023
鳥貴族が社名変更で「エターナルホスピタリティグループ(永遠なる心底おもてなし集団)」に変えたの。厨二病くさくて好き。
— むぎSE (@MUGI1208) September 22, 2023
エターナルホスピタリティグループ、年数が経つごとにグレードアップしているセーラームーンの必殺技みたいな名前で良き
— かるた (@ore_misoji) September 25, 2023
特にこの“エターナル”というフレーズが、いわゆる厨二病っぽさを大いに醸しだしている……といった見方が多いようだが、そもそも同社が1980年代に大阪で創業した際の社名も、実は「株式会社イターナルサービス」というものだったという。
さらに同社の看板などに描かれているロゴマークを見てみると、無限を記す「∞」のマークが入っており、こういったことからも、“永遠の”“永久の”“無限の”といった意味を持つ“エターナル”というワードが、同社にとって特別な意味合いを持つものと推察されるところである。
いっぽうで、社名変更となる「鳥貴族」というワードに関してだが、ヘビーユーザーからはもっぱら「トリキ」と呼ばれ、さらには鳥貴族のキャラクターも「トリッキーくん」という名前だそうなのだが、これらは英語圏の人々には「trick(たくらみ、計略)」や「tricky(難しい、複雑な)」などといったワードを連想させる可能性も、無きもあらずといったところ。
本格的な海外展開を見据えているとされる鳥貴族だが、同社の中期経営計画「ビジョン2030」をみてみると、「米国を足掛かりとした海外進出」との記載があり、そういったことから考えても、英語読みされた場合にあらぬ誤解を生む可能性がある「鳥貴族」「トリキ」といったワードを避けた……とも考えることもできるかもしれない。
2年連続の値上げ断行も客足は回復傾向
そんな鳥貴族の海外進出といえば、2019年にはすでに米・ロサンゼルスでの出店を目指すと発表していたのだが、その後ほどなくして全世界がコロナ禍に突入。さらに、2021年に立ち上げたチキンバーガー専門店「トリキバーガー」への注力のため、海外進出計画を延期したという経緯がある。
その後の鳥貴族はというと、「やきとり大吉」を運営しているダイキチシステム株式会社の全株式を取得し子会社化。「鳥貴族」と「やきとり大吉」の2ブランドであわせて1,000店舗超を果たすも、その反面でオープンから3年で直営10~20店舗体制を築き、将来的には国内1,000店舗を目指すとした「トリキバーガー」のほうは、公式サイトを見るにいまだ3店舗しかないといった状況だ。
さらに22年と23年には、折からの原材料費や光熱費などの高騰を受けて、2年連続で値上げに踏み切るという苦渋の決断も。
ただ幸いなことに、心配された値上げによる客離れは起きていないようで、むしろ今年8月の月次業績によれば、既存店客数が前年同月比46%増加。それに伴い、株価もこのところは高値で推移しているといった状況だ。
鳥貴族としてはこの機に乗じて、日本国内よりも客単価を高く設定できるアメリカなどの海外市場に切り込みたいといったところ。今回報じられた社名変更は、予定通りなら来年5月1日には実施されるということで、その頃には海外進出の動きが、いよいよ本格化するものと考えられそうである。
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