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円安が追い風「ブリヂストン」株は買いか?長期投資のプロが成長性とリスクを徹底分析=佐々木悠

あなたはブリヂストン<5108>を知っていますか?タイヤメーカーとして知名度がある会社ですが、実は多くの投資雑誌で取り上げられている企業です。今回は世界をリードするタイヤメーカーであるブリヂストンに焦点を当て、どのように成長していくのかをわかりやすく解説します。成長性も投資リスクも理解できる記事ですから、ぜひ最後までご覧ください。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)

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プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。

ブリヂストンはじっくり成長している

まずは、ブリヂストンが何をやっている会社なのかを解説します。

あなたもご存知の通り、タイヤの製造・販売が主な事業です。

まずは業績を見てみましょう。

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出典:マネックス証券

23年12月期の売上高は4兆1,100億円、営業利益は4,412億円です。営業利益率は11.74%です。製造業の平均的な営業利益率は4%ですから、優れた利益率です。

一方で、成長性は売上/営業利益ともに過去最高水準ではあるものの、長期的に大きく成長しているか?と問われるとやや疑問です。

大きな成長はしていないがじっくり成長している、そんな様子が読み取れます。

同社のセグメントは地域ごとに分かれています。その推移を見るとアメリカにおける売上割合が高く、日本の売上は決して高くないことがわかります。

ブリヂストンはグローバル企業と言えるでしょう。

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出典:有価証券報告書より作成

ざっくりと、タイヤを世界で販売しながらじっくり成長している、ということがわかりました。

アメリカを中心に成長してきた

では、どうやって世界(特にアメリカ)で成長できたのでしょうか?

1つポイントとなるのがM&Aです。

ブリヂストンは創業当時の1900年ごろは足袋や靴を販売するメーカーでしたが、1930年ごろに創業者の石橋 正二郎が「経済発展と共に自動車の需要が高まる」と見込んで、タイヤの製造・販売を始めます。

1970年代の石油危機などピンチもありましたが、アメリカの大企業 グッドイヤー社(現在世界シェア3位)との協業などによって、生産性と品質が向上し、タイヤメーカーとしての地位を確立していきます。

そして、世界進出の大きなきっかけとなったのが、1988年のファイアストン社買収です。

当時、ファイアストン社はブリヂストンよりも大きく、北米、中南米、欧州で多くの生産設備を持っていて、グローバル展開が進んでいた会社でした。

その後も世界各国のファイアストン関連企業や現地企業を買収することで成長を続けていきます。

これがグローバル化の大きな流れです。

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