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高齢者が金づるに…ブラック介護付有料老人ホームが乱立する理由。格安施設ほど“5つの虐待”が横行している=神樹兵輔

防衛・海外ばら撒きに予算をつぎ込んでいる場合ではない

岸田政権は、防衛費を現状の2倍の10兆円規模にする――などと息巻いていますが、高齢大国日本の未来に向けて、これからいったい何をしたいというのでしょうか。

今でさえ、自衛隊員が不足している――というのにです。

アメリカの言いなりで米国の軍需産業を潤わせる前に、もっと安心できる日本の近未来・高齢化ニッポンのビジョンを描いてもらいたいものですが、世襲3代目のバカボン総理では無理からぬところなのでしょう。何の希望ももてないところです。

ちなみに、しばしば本メルマガではお伝えしていますが、安倍政権の累計8年8カ月の在任期間では、およそ60兆円ものカネを海外にバラ撒き、「地球儀を俯瞰する外交」などと得意になっていたのが、自民党・安倍政権でした。

平均すると毎年7兆円。消費税率換算で年間3%分です。

原資は、国会審議を経ない外国為替特別会計と年金特別会計の剰余金でした(外務省のODA予算はそもそも5,000億円しかない)。

しかも、現下の岸田総理は、安倍政権を上回る毎年9兆円もの海外バラ撒き外交をやっていますが、政権癒着のマスメディアはスルーしています。

自民党政権は、もはやタガが外れまくっていますが、首相の外交やってる感だけの「ええかっこしい」のせいで、日本のカネが無尽蔵に外国に消えていきます。

「もうどうにもとまらない〜?」という山本リンダさんの昔のヒット曲が思い浮かぶのですが、笑えません(若い方は知らないでしょうが、調子のよい曲なのでぜひ聴いてみてください。山本リンダさん歌唱『どうにもとまらない』1972年リリース)。

費用が工面できずに介護施設に入れない老人が続出する老人大国ニッポンの未来

さて、閑話休題で本筋に戻りますが、老人介護施設には、大きく分けて以下の3分類があります。

・介護付有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・サービス付き高齢者住宅

介護付有料老人ホームの中には、月額利用料金が非常に安く、介護保険の自己負担分に、食費や居住費をすべて含めても10〜15万円ですんでしまう「公的施設」の特別養護老人ホームも全国に約1万施設が含まれています。

しかし、ここには、要介護者の約62万人が入所していますが、入所希望者がつねに20万人以上いるため、なかなか入所はかないません(地域によっては稀に空室が出ることはある)。

結局、費用がピンからキリまであり、施設数が最も多いのは、民間事業者が運営する介護付有料老人ホームで、全国に約1万3,500施設で(住宅型含む)、54万人が入所しているところが、要介護になった時に最も「頼れる施設」ということになります。

しかし、65歳以上高齢者夫婦の平均年金受給額は、夫が会社員で妻が専業主婦だった場合、合計で約21万円です。妻も共働きだった場合でも、約26万円です。これは、平均値ですから、高い金額から低い金額に並べた時の中央値では、もっと低くなります。

これでは、夫婦の片方が要介護になっても、民間の介護付有料老人ホームには入りたくても入れないでしょう。入所のための月額費用が足りません。

民間企業が運営する介護付有料老人ホームは、入所一時金のないリーズナブルな施設でも、利用料が月額20万円前後しますから、夫婦そろって入所するには費用が高すぎて、とても無理なのです。

本メルマガの第21回(2022年11月21日号)でお届したように『現役世代の9割が、老後に介護が必要になっても介護施設に入れない!待っているのは格安・無届け介護施設での虐待地獄!」という酷いことにもなりかねないわけです。

Next: 老人はただの金づる?薄利多売の「ブラック施設」が次々と誕生

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