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糸引きマフィン店“行政処分見送り”決着に噴出する「甘すぎる」との声。「お咎めなしで製造再開?」との真偽不明の噂も流布中

今年11月、東京ビッグサイトで開催された「デザインフェスタ」の会場で販売されていたマフィンを食べた複数の客が、腹痛や嘔吐の症状を訴えた騒動に関して、目黒区保健所が店に対する行政処分を見送ったと報じられたことが、大きな波紋を呼んでいる。

同保健所によれば、11月15日にマフィンを製造・販売した菓子店への立ち入り検査を実施し、体調不良を訴えた7人の便やマフィン15個の成分を分析したものの、食中毒の原因となる細菌は検出されず、ゆえに体調不良がマフィンによるものと断定できなかったとのこと。

食品衛生法では、病原微生物により汚染された食品を販売するなどした場合、保健所は営業停止処分を出すことができると定めているが、今回は細菌が検出されず、処分の根拠が得られなかったようだ。

「責任とらず逃げ切りか」など不満の声が噴出

食中毒の原因が飲食店にあると断定された際に、被害の拡大防止や再発防止のため、食品衛生法に基づいて行政が行う行政処分。

例えば、今年9月に発生した青森県八戸市の業者が製造した駅弁を巡る集団食中毒では、発覚直後の同月17日に行われた立ち入り検査で、未開封の弁当から黄色ブドウ球菌などが検出されたため、同月23日に無期限の営業禁止処分が下されることに。その後、原因の究明と再発防止の措置が取られたことが確認されたことを受け、11月4日にその処分が解除されることとなった。

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この駅弁のケースでは立ち入り検査から約1週間で行政処分が下ったのに対し、今回のいわゆる“糸引き”マフィンの件では立ち入り検査からすでに1か月以上が経過。食中毒の原因となる細菌は検出されない状況で、とはいえ腐敗していたという事実だけでは行政処分を下すのも難しいということで、そのままタイムアップを迎えたといった格好のようだ。

この行政処分に関してだが、営業禁止処分が下った後に改善の見込みがないと判断されると、営業許可取り消しとなる場合があるとのこと。またそれ以前に行政処分が下されると、各自治体のサイトなどでその事業者名や処分内容などが一定期間“晒される”といい、店側としては信用問題の面で、そちらのほうも痛手といったところのよう。

ただ、今回のマフィンを製造・販売していた菓子店はというと、すでに閉業しているうえに、今後も営業再開の予定はないことを明らかに。また店の評判のほうも、アレだけの大騒動となっただけにすでに地に堕ちており、ぶっちゃけて言えば「いまさら行政処分が下ったところで……」といったような状況である。

とはいえ、今回の件では「糸を引き、納豆のようなにおいがする」といった証言のみならず、喫食後に腹痛や嘔吐などの体調不良を訴えた方も存在。さらに騒動を通じて、店側の食品衛生に関する意識や知識の欠落ぶりも大いに指摘されていたにも関わらず、事実上の“無罪放免”という結果になったということで、SNS上は「甘すぎる」「責任とらず逃げ切りか」「今後無責任な製造者が増えるんじゃないか」などと、不満の声が噴出する展開となっているようだ。

「詐欺として立件」返金対応を巡り騒動も

今回の行政処分の見送りを受けて、マフィンを製造した店側は12月19日付でホームページを更新。保健所からの許しを得たうえだというその報告には、体調不良を訴えた7人のなかに入院した者や重症となった者はいなかったという件や、引き続き保健所及び警察の指導に従って事後処理を真摯に行うといった旨が記載されている。

となると今後としては、新たに健康被害が発生することはまず考えにくく、焦点は返金対応が滞りなく進んでいくかといったところ。

だがそれを巡っては、すでに返金を受けたというとある人物が、その後店側から「レジ照合ができませんでした」「詐欺として立件しなくてはいけない」「ご返金をお願い」との連絡があったとSNS上で訴え、当該マフィン店を責める声が再噴出するといった騒動も発生。ただ、これに関しては購入者を名乗る側の「返金詐欺ではないか?」と疑う声もあり、こういった事からも返金対応自体、なかなか一筋縄ではいかなそうといった状況のようだ。

いっぽうで、今回の“行政処分見送り”の報道を受けて、一部で取沙汰されているのが「これを機にマフィンの製造を再開します」といった流れにならないよね……といったまさかの憶測。

現にSNS上には、マフィン店側が動画サイト上で販売の再開を宣言した、といった出所がまったく不明な噂まであがっており、それが急速に拡散されている状況だ。

もっとも先述の通り、すでに店側は営業再開の予定はないと表明しており、ましてやアレだけの大騒動を巻き起こしておきながら、保健所から“お咎めなし”だったということで復活するとは到底考えにくいところなのだが……。とにかく“行政処分見送り”という形で一応は幕引きの格好となった“糸引き”マフィン騒動だが、混乱はまだまだ続きそうといった情勢だ。

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