路上禁煙地区での喫煙に対して処される過料に対して、特に海外からのインバウンドにはまったく抑止力になっていないという話が、大いに取沙汰されているようだ。
報道によれば、東京・千代田区では外国人観光客の急増とともに、路上喫煙の違反件数が去年の2倍に増えているとのこと。
特に目立つのが外国人の路上喫煙だということで、日本の各地域における路上喫煙のルールが周知されていないことにくわえ、海外では屋外で喫煙できる国も多いため悪気なく吸ってしまうといったケースが多いよう。
また同地では、路上喫煙が認められると過料2,000円が徴取されるようなのだが、外国人のなかには喫煙所マップの“代金”と思われたり、一種のチップのようなものと受け止められたりと、路上喫煙のペナルティであるとの認識が薄いようで、おおよそ抑止力になっていないのでは……との見方が広がっているというのだ。
路上喫煙の罰金は2000円
外国人「2000円で喫煙できるんか やっす」
まったく抑止力無くて草 pic.twitter.com/3BlEUr5RU6
— ゆるふわ怪電波☆埼玉 (@yuruhuwa_kdenpa) March 28, 2024
条例上の金額より実際の徴収額は安価に
最近の日本では、都市部の駅周辺や繁華街などはすべからく路上喫煙禁止エリアに設定され、タバコを吸うには稀に設置されている喫煙所を探すか、あるいは我慢をするしかないというのが、喫煙者の常識となっているわけだが、外国人観光客がそんな事情を知るはずがないのは当然の話。
実際、海外在住者に「日本で不便に思うこと」というテーマでアンケートを取ったところ、「喫煙できる場所の少なさ・分かりにくさ」が14.4%で全体の8位にランクインしたとのこと。日本の場合、禁煙条例の類が市町村単位で制定されており、エリアによってルールが異なることがあることも、外国人喫煙者を混乱させる一因となっているようだ。
いっぽうで、エリアによって異なるといえば、路上喫煙を咎められた際に請求される過料の金額で、今回の報道で取り上げられた東京都内などは2,000円ということだが、京都市などをはじめ1,000円という地域も存在。
そもそも、この過料の金額に関しては、実際には1万円以下ないしは2万円以下と定められているところも多いようで、今回の記事にあった東京・千代田区でも、条例上条例上は「2万円以下」となっているのだが、実際に科する過料の額は「当面2,000円」としているとのこと。
これは、1万円以上の高額な過料となると違反者に持ち合わせがなかったり、あるいは支払いを巡って揉めるといったことも考えられることから、円滑な取締りのための現実的なラインとして、2,000円や1,000円を徴収額として設定しているようなのだ。
シンガポールでは2万円越えの罰金も
しかしながら今回取沙汰されているように、過料がまったく抑止力になっていないといった状況が、ここに来て顕在化しているということで、SNS上などからは「もっと取ってもいいのでは?」といった声もあがっているところ。
特に訪日外国人にとっては1,000円、2,000円など、はした金もいいところだろうということで、昨今話題となった海鮮丼ではないが、インバウンド価格にすればいいのに……といった声までもあがっているようなのだ。
子供の小遣いみたいなものだもんなぁ
路上喫煙の抑止力になってないのよね路上喫煙 10万
歩きタバコ 10万
吸殻ポイ捨て 50万でもいいかも https://t.co/f0Z2E13kzb
— USA🐰 (@Usatandes) March 29, 2024
>路上喫煙の罰金は2000円
>外国人「2000円で喫煙できるんか やっす」
>まったく抑止力無くて草
それならインバウンド価格の罰金20万でいいと思うわ
日本人だけじゃなく、海外の観光客からも、もっと税金や罰金を取ればいいと思う
— しこうさくご (@gendoutyui) March 29, 2024
ちなみに、海外でいわゆる所定の喫煙エリア以外で喫煙した際の罰金額だが、とにかく罰金の類が多いシンガポールだと200シンガポールドルと、日本円で2万円を超える罰金が科され、さらにタバコのポイ捨ても、300シンガポールドルの罰金を払わなくてはならないという。もっとも、ここまで高額なケースは極端だとしても、他の路上喫煙に罰金を科している各国と比べても、日本の1,000円、2,000円といった金額は低めの水準のようだ。
それだけに、徴収額の増額が議論される流れもありえそうなところなのだが、先述の通り、条例上では過料があらかじめ1万円以下ないしは2万円以下と設定している自治体も多い。となれば、その範囲内なら徴収額の変更も条例改正の手順を踏まずともできそう、ということで、このまま路上喫煙が減らない状況が続けば、意外にすんなりと増額される……といったことも十分考えられそうだ。
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