先行指標は堅調
これまでに発表された最新の雇用関連の数字を見ると、比較的堅調な数字が並んでおり、基本的には強めの数字が想定されています。
非農業部門雇用者数は+20.0万人が想定されており、初動の値動きは先月同様、この雇用者数の数字が鍵を握るでしょう。
もっとも、先月は平均時給が予想を下回ったことで、発表の瞬間以降のドル円は大きく下げることになりましたから、最終的にはこの平均時給の数字が重要となります。
想定は1ドル=150.50-152.00円
とはいえ、相場の流れを決定づけるには、平均時給が前月比+0.3%・前年同月比+4.3%という予想から大きく乖離する必要があるでしょう。
例えば、前月比で+0.5%といった数字が出た場合は、152.00円の介入警戒ラインを試すことになり、場合によっては抵抗ラインを抜けて一段高となるでしょう。ただ、この場合はいつ為替介入で暴落があってもおかしくはないので、早めに利益確定して次の値動きを待ちたいところ。
逆に前月比で0.0%以下といった弱い数字が出た場合、米金利が大きく低下してドル安に傾けば、積み上がった円売り解消の動きが出て150.00円の大台割れもあり得るでしょう。
この場合、148円ぐらいまでの下押しは許容できるでしょうが、それ以上に下げていくようだと相場のトレンドそのものがいったん変化する可能性がありますので、ご注意いただければと思います。
というわけで、基本的には初動は雇用者数の数字によって動きますが、最終的にはインフレに直結する平均時給の数字に引っ張られますので、そのつもりでトレードしていきたいところです。
雇用者数が予想を下回って下げても、平均時給が予想並ならドル円は底堅く、再び151円台後半から152.00円台を試しやすいですし、逆に雇用者数が上回っても平均時給が予想を下回る場合、ドル円の伸びというのは限定的でしょう。
また、短期的には中東情勢も相場に強く影響しますから、ニュースのヘッドラインに注意して、なるべくポジションは持ち越さないようにしましょう。
とりあえず、現在の151.00円台前後のレートは押し目のポイントでしょうか。ただし、平均時給が予想を下回った場合は、いったん損切りでしょうか。
あるいは、発表後に雇用者数の数字が+10万人以下という数字であってドル円が大きく下げた場合でも、平均時給が予想並の前月比+0.2-0.3%以上であれば、それは押し目買いを意識しておきましょう。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2024年4月5日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による