16日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。前日に続き低
調な米経済指標を受けドル売り継続の可能性があろう。ただ、金融当局者は引き締
め的な政策スタンスを堅持するとみられ、ドルは割安感から買戻しが入りやすい。
前日発表された米国の消費者物価指数(CPI)で伸びが鈍化したほか小売売上高は低
調な内容となり、引き締め的な金融政策に対する期待は大幅に低下。米金利安・ド
ル安に振れユーロ・ドルは1.0880ドル付近に浮上、ドル・円は154円70銭まで失速し
た。本日アジア市場もその流れが受け継がれ、ドルへの下押し圧力はさらに強まっ
た。ドル・円は早朝から下げ足を速め154円を割り込むと、一時153円半ばに下げ
た。
この後の海外市場は米金融政策にらみ。米インフレの再加速は一服したもよう
で、金利安が続けば積極的なドル売り基調に振れやすい。今晩のフィラデルフィア
連銀製造業景況指数は前回から失速の見通しで、ドル売り再開の手がかりに。た
だ、連邦準備制度理事会(FRB)当局者は早期利下げに慎重ならドル売りを弱める。
一方、当面の上値抵抗線として意識されていた157円台が遠のき、ドルは買戻しの余
地が生じたとみる。
【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.0万件、前回:23.1万件)
・21:30 米・4月住宅着工件数(予想:142.0万戸、3月:132.1万戸)
・21:30 米・4月住宅建設許可件数(予想:148.0万戸、3月:146.7万戸)
・21:30 米・5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:8.0、4月:15.5)
・21:30 米・4月輸入物価指数(前月比予想:+0.3%、3月:+0.4%)
・22:15 米・4月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、3月:+0.4%)
・22:15 米・4月設備稼働率(予想:78.4%、3月:78.4%)
・23:00 バー米FRB副議長(銀行監督担当)上院証言
・23:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁TVインタビュー
・23:30 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演(教育・健康管理関連)
・01:00 メスター米クリーブランド連銀総裁講演(経済見通し)
・04:50 ボスティック米アトランタ連銀総裁討論会参加(経済見通し関連)
・欧州中央銀行(ECB)金融安定報告
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