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米国株の堅調地合いもここまでか? やはり上がらない日本株とドル円=江守哲

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プロフィール:江守 哲(えもり てつ)
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。

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米国株「堅調」の背景

米国株は堅調さを維持しています。

正直なところ、この堅調さの背景を理解するのに苦労しています。1月の急落後の戻りは、やはり米国株の持つ復元力なのでしょう。これが日本株との大きな違いでもあります。

11日(土)に大阪で、東京金融取引所でNYダウのCFD取引が27日に開始されるのを記念したセミナーで講演をさせていただいたのですが、そのためにいろいろ調べ、また考えました。

結論から言えば、日本株を中心にみていると、この米国株の復元力を理解できないということです。日本株と根本的に構成要素や市場の背景があまりに違うということです。

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やはり人口の問題が大きいのだと思います。米国は移民を受け入れて人口を増やしています。日本はその逆の政策を取っています。これでは、国力にも差が出てきても仕方がありません。

実際、就労人口も差が付き始めています。日本は伸び悩み、米国は増加傾向が続いています。この結果、GDPの総額の伸び方も大きく異なっています。これが株価の違いにつながっていることは言うまでもありません。

また、NYダウに採用されている銘柄が、世界をけん引するグローバル企業であることです。さらに、指数の構成銘柄が、その時代をけん引するような企業が採用されるなど、新陳代謝も行われています。

その結果、指数が堅調に推移しやすく、投資家はその指数に単純に投資していれば、相応のリターンが出てしまうという実があります。

また米国の主要企業は、過去5年の平均でみると、利益の約5割を自社株買い、約3割を配当に充てています。この傾向は最近になって顕著になっています。ある意味、非常にわかりやすい株価・株主対策です。

このような傾向もあるので、長期投資を検討されている投資家は、日本株ではなく、米国株を検討すべきなのでしょう。少なくとも、過去数十年のデータでは、そう言わざるを得ないのが実情です。

何が下落のきっかけに?重要イベント目白押し

さて、今後の動向についてです。やはり重要イベント後の動向に目が向きます。14・15日のFOMCでは、利上げがなくなりました。早くても7月でしょう。その可能性については、今後のイベント次第です。

6月23日の英国のEU残留・離脱に関する国民投票の結果次第では、市場が大混乱に陥り、FRBも7月でさえも利上げどころではなくなるでしょう。また6月の雇用統計の内容も見極めたいところです。

英国がEU残留・離脱に関する調査では、最近では離脱を支持する層が増えてきています。万が一のこともあるのでしょうが、それでも私は最終的には残留支持になると考えています。最後は現実的になるでしょう。

とは言え、ここで本当に離脱という話になれば、市場の混乱は不可避であると考えられます。ポンドやユーロが売られ、その結果ドル高になります。

米国株を支えるために、米国はドル安政策に転換しましたが、それを覆されては困るわけです。結果的にドル高になってしまえば、米国サイドの目論見は崩れてしまうことになり、株価は調整を余儀なくされるでしょう。

このように考えると、強すぎた5月相場の反動が大きく出る可能性もあります。その動きが金曜日の調整に表れたのかもしれません。

これまで米国株は、過去最高値を更新しようかという勢いで戻してきました。しかし、さすがに割高感も出ています。これ以上の上値を買うには材料は必要ですが、それが企業業績の改善であることは明白です。

すぐに第1四半期に比べて、第2四半期の企業業績は回復するのか。今後の米国株の上昇継続には、この点を見極める必要がありそうです。

いずれにしても、いまは常に下落に備えておくべきと考えています。まずは独立記念日までの動きを注視しましょう。

Next: 「割安」は目の錯覚? 日本株はやはり上がらない

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