日本株はやはり上がらない
日本株が金曜日のシカゴ市場で急落しています。
これまで何とか値を保ってきましたが、日経平均先物は岩盤だった16500円を割り込んでいます。これを早期に回復できないようだと、市場の雰囲気は一変してしまう可能性があります。
ファンダメンタルズから分析するアナリスト系の方々は、株価収益率(PER)が14倍以下なので、これ以上の下げはないと主張してきました。確かに、この「PERが正しい」とすれば、その主張も長期的には正しいといってよいのでしょう。
「目の錯覚」
しかし、このPERを算出するための一株当たり利益(EPS)がそもそも正しいのかがポイントです。このEPSは四半期ごとに修正されるわけですが、このEPSが円高を織り込んでいるのか、やや不透明なところがあります。
また、株安の際にはPER13倍程度まで売り込まれることがあります。したがって、もしかすると、15500円程度まで下げる可能性が十分にあるということになります。
こう考えると、株価そのものはかなり低い水準にあるように見えますが、それは目の錯覚かもしれません。
証券会社あるいは証券系のアナリストは、基本的には「株価は上がる」ことを前提にした分析結果・見通しを出す傾向があります。これ自体は仕方がないと思いますが、もちろん鵜呑みにしてはなりません。
EPSに対する信用性がないので、繰り返すように、いまはテクニカル重視で株価動向を見るべきでしょう。
16750円以上は売りのゾーンと考え、実際にそのような戦略を勧めていましたが、上値を買う投資家がいると嫌だな、と思い、売っていたポジションを閉じました。
しかし、この見方はやはり正しかった可能性が高まりつつあります。
重要イベント控え神経戦
前述のように、これから重要イベントが続きます。少なくとも、このような状況で積極的に買いを入れる投資家は居なくなります。
そうなると「閑散に売りなし」という相場格言が思い出されます。出来高が細っている中、下げも限定的だろう、ということです。
しかし、このような時こそ、先物主導での下げにつながりやすいように思います。7月10日の参院選が終わるまでは、本当に動きづらくなると思います。
その中で、無理に何かをすることもないでしょう。ただし、ヘッジファンドの発想では、投資家から預かっている投資資金を現金で保有し続けるということができません。
そうすれば、投資家はヘッジファンドマネージャーに「あなたは我々の預金先ではない」とたしなめられ、最終的には資金の引き上げを食らうでしょう。