今回は小松製作所<6301>を取り上げます。コマツの株価が急落しています。24年7月17日に約5,131円をつけましたが、7月末の株価は約4,300円。この間、約16%暴落しています。今回はコマツの最新決算や市場動向を分析し、投資して良いのかを考えます。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)
プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。
コマツってどんな企業?
コマツは大手総合建設機械メーカーです。
売上の9割を占める建設機械・車両事業の主力商品は、ショベルカー・ブルドーザー・ダンプカー・フォークリフトなどです。「働くクルマ」を製造・販売しています。
出典:コマツ 土木紹介ページ
コマツはグローバルに展開しており、世界シェアが高い企業です。2022年時点では、アメリカのキャタピラーやディアの売上を上回りました。年によってこの順位に変動はあるものの、世界的な建設機械メーカーなのです。
出典:ディーゼルラボ
業績も中長期的に伸びています。
出典:マネックス証券
2010年3月期〜2017年3月期の売上や営業利益は横ばい(微減)ですが、2018年は2019年にかけてはいずれも伸長しています。これは世界的なインフラおよびエネルギー関連の工事需要が増加したことや、米国の鉱山機械大手のジョイグローバル社を買収したことなどが影響しています。
コロナ禍で世界経済が停滞した際の業績は再び低迷しましたが、その後の経済回復とともに業績が回復しました。特に欧米における住宅需要の増加、レンタル、インフラ、エネルギーなど幅広い産業から建設機械の需要増加の恩恵を受けました。
直近の24年3月期も主に資源価格高騰による鉱山機械需要増の影響で過去最高の売上(3兆8,651億円)と営業利益(6,071億円)を達成しました。このように業績の変動はありながらも、中長期的には株価は上昇しています。

小松製作所<6301> 月足(SBI証券提供)
ここからは、目先の株価下落の理由を考えていきます
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