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日経平均は1万7000円近辺まで反発の余地~「理論株価」最新分析(6/17)=日暮昭

当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)

筆者プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

日経平均株価、6/16大引け時点の理論株価は1万7120円に

日経平均は変動の下限に接近、反発注意領域に

イギリスのEU離脱に関する国民投票が6月23日に迫る中、世界的なリスク回避の流れが強まり、6月に入り急速に円高が進みました。対ドル円レートは、5月末の111円9銭から、6月16日には104円70銭と約7円(6%程度)の円高となっています。

円高に足を引っ張られる形で日経平均もこの間に1万7234円から1万5434円と、1,800円余り(約11%)の下落となりました。一方、この間、日経平均ベースの予想EPSは135円程度で変わらず、外部環境の悪化が業績面への波及には至っていないと言えます。

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こうした背景の下、この間の理論株価は1万7731円から1万7120円へと650円ほどの下落です。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

このように理論株価の下落より日経平均の下げが急速で大幅だったため、日経平均は6月初めまで維持していた通常変動の範囲を一気に割り込み、変動の下限まで接近してきました。6月16日の変動の下限は1万5076円で、日経平均はこの下限まで残すところ358円となっています。

これまでの経験則から、日経平均は下限を突破すると反転する可能性が高いと言えます。今後、業績見通しが下方に修正される、あるいはドルが100円突破を目指して進むといった事態には至らずに、さらに相場の下げが続くならば反発の注意領域に入ると言えます。

一方で、当面のリスク要因であるイギリスのEU離脱が国民投票の結果回避され、為替が一時的な円高から解放されて以前の水準に戻るならば、日経平均は理論株価の1万7000円近辺まで回復する可能性も視野にいれておく必要があるかもしれません。

Next: 詳細グラフ:理論株価の推移/変動範囲の上限・下限/直近5日かい離率

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