「劣化」は司法の現場にも…
司法の現場にも一言。
2024年9月26日、静岡県清水市内で一家4人が惨殺された事件の再審で「無罪」が言い渡されました。再審請求のあり方など、“今の”司法手続きの大不備が指摘されました。
検察による証拠捏造により、袴田さんは「48年」もの長い人生を奪われたのです。「証拠捏造」による無実の罪でです。しかも検事総長のコメントは「袴田さんは犯人に等しい」と表現しています。はぁ、なんのプライド?検察は何を守りたいの?
この判決の影響なのか、福井市で昭和61年、中学3年の女子生徒(当時15)が殺害された事件で懲役7年の判決が確定し、服役した前川彰司さん(59)が裁判のやり直しを求めた第2次再審請求審で、名古屋高裁金沢支部は23日、再審開始を決定をしました。
前川さんは一貫して否認しています。前川さんが犯人だと示す直接的な物証はなく、「事件直後に血の付いた服を着た前川さんを見た」「犯行を打ち明けられた」といった複数の知人の証言が有罪の根拠とされたのですが、これらの証言の信用性が、非常に重要な鍵になっています。覚醒剤事件などで逮捕、勾留中で前川さんとは知人だった当時暴力団組員の男性が、「事件直後の前川さんを見た」と証言したことが犯人確定の根拠となったのです。
通常審の1審福井地裁で無罪判決、第1次再審請求審の高裁金沢支部で再審開始決定が出ましたが、いずれもその後に覆っています。今回の再審請求審では、知人の1人が有罪の根拠となった証言を翻し、「事件の日に前川さんを見ていない」と証言しました。なんか、この段階でもう“ぐちゃぐちゃ”ですね。
この内容は初期の供述調書とも同じで、「福井県警の捜査員に自身の覚醒剤事件を見逃してもらう見返りに記憶と異なる証言をした」と説明したとのことです。またまた官憲の捏造ですか。
日本の裁判においては、相手方から求められる場合や裁判所から文書提出命令が出された場合を除いては、不利な証拠の開示義務はありません。不利な証拠がある時裁判で不利になる証拠を持っていても提出義務はありません。“求めなければ”、官憲側にとって不利な証拠は(言い換えれば裁かれる側にとって有利な証拠は)開示されないのです。検察官は、弁護人から請求があれば、原則として証拠調請求した証拠以外の証拠であっても開示する義務があります。
この2つのニュースから言えることは、検察は、国は、何十年もの長い間、“真犯人”を世の中に放置していたということになります。真犯人を国家ぐるみで守ったのです。
真犯人を捕まえてよ、真犯人の国家ぐるみの隠匿かよ、国や検察はいったい何を守りたかったのよ…という声が聞こえてきます。
もはや日本は先進国とは言えない…
経済の中心で起こったこと、行政の劣化、司法の劣悪さ、国民との信用の上に成り立つはずの、国家として根幹の部分が大崩壊しています。
今回は触れませんでしたが、入管における人権無視の対応もとても先進国で起こっていることとは思えないですね。
もはや日本は先進国ではない。いや民主主義をかかげる近代法治国家とは到底、言えなくなってしまいました…。 ※2024年10月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。 ※本記事は、『らぽーる・マガジン』 2024年10月28日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。 ※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込330円)。
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