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減益90%超…日産に何が起きたのか?「売る車がない」EV戦略の失敗と吹き荒れる逆風=原彰宏

売る車がない日産

日産には売る車がない…。

EV車を考えても、同じ性能なら安価な中国BYDのEV車が世界的シェアを伸ばしています。

世界の電気自動車(EV)市場で2023年の世界シェアは、米テスラが19.3%、中国・比亜迪(BYD)は16.0%とそれぞれ前年比で1.8、4.0ポイント上昇しました。

各社が新モデルを多く投入し競争が激しくなるなか、米ゼネラル・モーターズ(GM)や日産自動車・三菱自動車・仏ルノー連合など上位の3陣営がシェアを失い、2強の強さを裏付ける結果となりました。

※参考:世界EVシェア、失速は米・韓・日仏の3陣営 テスラ・BYD上昇 – 日経モビリティ(2024年2月16日配信)

要はEV車の世界では、世界的普及が各国の政策転換で困難になり、さらに現存のEV車の市場では、安価な中国BYDがそのシェアを伸ばしている、実に“狭く”て“将来が見通せない”市場に、日産自動車は傾注しすぎたあまりの経営不振と言えそうです。

トヨタは、EV車ブームの中でも自社特有のハイブリッド車は温存、自社開発の水素エンジン車、更には既存のガソリン車と幅広くラインナップを崩さないで、どの分野にも対応できるようにしていたところに、他自動車メーカーと差別化を図っていました。

上記、日経の記事の中にも中国BYDの勢いの良さが載っています。

BYDはテスラ以上の躍進を見せた。BYDはプラグインハイブリッド車(PHV)でも強みを持ち、PHVとEVを合わせれば会社発表による年間販売は62%増の302万台となった。うちEVのみなら73%増の157万台と、攻勢を強める。

出典:世界EVシェア、失速は米・韓・日仏の3陣営 テスラ・BYD上昇 – 日経モビリティ(2024年2月16日配信)

地球温暖化対策は重要ですが、急激な対策は、わたしたちの生活にも影響を及ぼしますし、経済をも壊すおそれがあります。

今月、気候変動に関する国連の気候変動会議、「国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)」が、議長国を務めるアゼルバイジャンの首都バクーで11日に開幕しました。

石油産出国でのCOP開催は、昨年のアラブ首長国連邦(UAE)ドバイに続き2年連続となります。

COP28では、各国は化石燃料からの脱却に合意しましたが、どのくらいの早さで脱却するのかについては言及しませんでした。

化石燃料との付き合い方が、従来までのムーブメントとは異なるようです。化石燃料でも二酸化炭素排出を抑える技術も発展してきています。地球温暖化対策は重要ではありますが、おそらくトランプ氏が米大統領に返り咲いたことで、その方法を見直す動きが出てくるのでしょうね。

日産自動車の90%超の減益は、その象徴の一つに過ぎないような気がします…。

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