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くら寿司「避妊具」迷惑行為で改めて噴出するマジな強硬対応を求める声。今回もヌルい決着なら“優待廃止”時と同様の株価暴落も?

先月発生した「くら寿司」でのいわゆる迷惑行為を巡り、同社が「厳正な対応を行う予定」と声明を発表したことが波紋を呼んでいる。

渦中の迷惑行為だが、具体的にはくら寿司のとある店舗にて、使用済みと思われる避妊具が皿返却口に投棄されている画像が、SNS上に投稿されたというもの。

同社の声明によれば、当該店舗や実行者の特定はほぼできていたということで、さらに迷惑行為の実行者を名乗る者から、謝罪したいとの連絡があったということ。

しかし同社は、今回の行為に対して「許されざる行為ではなく」とし「当社として厳正な対応を行う予定」とコメント。また当該店舗に関しては、すでに消毒などの対応を行っているという。

過去の“醬油ペロペロ男”は実刑を免れる

回転すし店をはじめとした飲食店をターゲットとした、不潔極まりない迷惑行為が、SNS上やメディアを大いに賑やかせたのは2023年初頭のこと。

くら寿司に関しても店内にあった醤油差しを金髪男が直接口で舐めるという、いわゆる“醬油ペロペロ男”の動画が拡散。大いに耳目を集める格好になったわけだが、それまでこの手の騒動には“泣き寝入り”といった対応が目立っていた飲食店側も、この際には強硬姿勢を取るところが多く、くら寿司の犯人も成人だったこともあり逮捕に至る格好に。

しかし、犯行前後はかなりふてぶてしい態度だった犯人も、裁判時には黒髪でしおらしく謝罪の弁を述べたり、また塗装工として更生を目指す様子がメディアを通じて露出されたりと、反省ぶりを猛アピール。その甲斐もあってか判決は懲役3年・執行猶予5年と、実刑をギリギリのところで免れる結果となった。

【関連】くら寿司「しょうゆ舐め」男に執行猶予判決。ロン毛金髪から短髪黒髪の反省アピールで“ギリギリ”実刑回避に「弁護士がヤリ手」との声も

いっぽうで、この刑事沙汰以外に民事での損害賠償がいかほどとなるのかにも注目が集まったこの件なのだが、結局のところはその後まったく音沙汰なしに。

実際、同時期に発生したスシローでの迷惑動画を巡るやりとりでも、一時は会社側が犯人の少年に対して、約6700万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたものの、その後訴訟を取り下げるという展開となっており、くら寿司の件に関しても損害賠償が行われなかった可能性が高いと推測されるのだ。

株主優待“廃止”発表で株価が3割以上も下落

このように結局のところ、多くの企業側が強硬姿勢で望んだとされた先の迷惑動画騒ぎだが、犯人が成人だったケースでは、その実名とともに悪行が“デジタルタトゥー”としてネット上に刻み込まれることとなったものの、刑事罰に関しては執行猶予ということで、その期間大人しくしていれば前科は付かず。さらに民事の損害賠償に至っては、ほとんど請求されなかった模様ということで、見方によればほぼほぼノーダメージで済んでいるといった状況。

それだけに、今回の“避妊具”迷惑行為を巡っては、そんな結果的に犯人に対して甘いものに終わった前回の対応が招いたもの……といった見方も、SNS上で多くあがっており、今度こそは迷惑行為に対しての抑止力となるような、具体的には多額の損害賠償を伴うような厳しい処置を望むといった声が噴出しているところだ。

いっぽうで、今回の件でのくら寿司の毅然とした対応に期待しているのは、利用者だけでなく同社の株主も同様か。

東証プライム上場のくら寿司株といえば、昨年12月に株主優待の廃止方針を打ち出したところ、失望売りの動きが広がり、株価が3割以上も下落する事態に。それを受けて年明けに株主優待の復活を発表すると、たちまち株価が急上昇するといった、ある意味でのドタバタを披露したばかり。

投資の意識以上に優待が大きな目当てであったり、あるいはそれ以前にくら寿司のファンだという向きが株主のなかでもかなりの割合を占め、そのご機嫌次第で価格が大きく上下する同社株。それだけに今回もナアナアの対応で済ませるようなことがあれば、自らが安心・安全な食事が楽しめないということで、再びの失望売りからの株価下落……ということも考えられなくもない情勢だ。

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