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【展望】小型株堅調の裏で日本株から資金を抜き出す外国人投資家たち(3/21)=國澤晃

アメリカの雇用環境にも影響大、急落した原油相場のポイント

毎週チェックしている原油まわりですが、懸念していた原油先物の買い建玉は、足元の急落過程でだいぶ整理されました。一方、掘削リグは一気に14基増える格好(ベーカー・ヒューズ社発表の米石油採掘装置稼働数より)。今後は足元の原油下落を受けて、掘削リグ増加ペースが鈍化してしまうのかどうかに注目です。
http://www.dai-ichi.co.jp/market/cftc.asp?cd=7191
https://jp.investing.com/economic-calendar/baker-hughes-u.s.-rig-count-1652

一応、単純に原油価格が下がったから来週から稼働リグが止まるか、というとそんなことはないはずです。というのも、足元で「利上げ前に融資を決定してしまってリグを稼働させよう」という駆け込み需要も多かったと見られるからです。FOMCでの利上げがあろうがなかろうが、長期金利の上昇はトランプラリー以降断続的に続いていますけれど、当然、政策金利の上昇も貸出金利の上昇に一役買うでしょう。

実際の貸出金利が上昇するまでには一般的にタイムラグがありますから、先々に金利が上がることをわかっていながらボヤボヤしている経営者はいませんね。そんなわけで、多少の原油価格下落となっても、少なくとも短期的には稼働リグの上昇基調は続いていくのだろうと思います。

そしてこの稼働リグの上昇は、アメリカの雇用環境にも一役買っています。1つのシェール掘削リグに直接従事する人の雇用者数はたかが知れていますが、その周辺業界やエネルギーを使う側の業界、消費者まで幅広く恩恵を受けるため、実際足元で大きく伸びている雇用統計の数字はエネルギー業界中心に伸びています。これはトランプ大統領の政策にも合致し、多数の賛同を得られやすい政策です。

そう考えると、先般「砂の価格やトラックの人件費の上昇がシェール掘削リグ稼働の足かせに」とも書きましたが、それらのプラス要因、マイナス要因相殺して案外しぶとく増産を続けるのがシェールオイル、ということになりそうです。

Next: 本来であれば「買い」で勝負できるはずの東京株式市場だが…

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