中央銀行の金利操作
金利には中央銀行の政策も関係してきます。中央銀行は主に短期金利に働きかけて、経済が安定的に成長していけるように調節しようとします。
景気が過熱しすぎると、バブルになってしまいます。人間の欲望には際限がないので、お金回りが良くなってくると、皆が儲けるために我先にと無謀な投資(設備投資、株式投資、不動産投資等)に走り出します。
景気のグルグル回転に勢いがつきすぎると、最後はバブルが弾けて大恐慌に突入してしまうリスクがあります。そうならないように、中央銀行は長期的な視点に立って短期金利を上昇させ、グルグル回転の勢いを沈めようとします。反対に不況期に入ると、中央銀行は短期金利を引き下げて、景気を回復させようとします。
- 好況期に入る→中央銀行が利上げを行う
- 不況期に入る→中央銀行が利下げを行う
株価と金利の関係
ようやく「株価と金利の関係」について話ができる下地が整いました。
好況期に入ると金利が上昇して、債券価格が下落していきます。不況期に入ると金利が下落して、債券価格が上昇していきます。
この金利に対して、株価は逆方向に作用します。例えば、長期金利が2%から5%に上がった場合、投資家の多くが「リスクの大きい株式投資を行うよりも、債券を購入した方が安全でしっかりと儲けられる」と考えるのです。反対に長期金利が5%から2%に下がった場合、債券の魅力がなくなり、相対的に株式の魅力が上がります。
- 金利が下がる→株価が上がる
- 金利が上がる→株価が下がる
いきなり、上記のように言われてもピンと来ない方は、次のように考えてください。
- 金利が下がる→低利回りの債券には魅力がない「株式>債券」→株価が上がる
- 金利が上がる→高利回りの債券には魅力がある「株式<債券」→株価が下がる