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アップルペイ「箝口令」の裏で進行する破壊的変化、Suica世界制覇の野望=岩田昭男

徹底した利用者重視の哲学

Apple Payの特徴は、徹底した利用者重視の哲学にあります。スイカ情報の取り込みでもそうですが、なるべく利用者の負担にならないように考えてくれています。

登録するのに必要なのは、生年月日と、スイカの裏に記載されたカード番号の下4桁のみで十分です。

10年前にガラケーでモバイルSuicaを使ったときは、それは大変でした。さまざまな個人情報を入力しなければならず、それにかかった時間は半日、とても大変だったことを記憶しています。

それに比べれば、今回は比較にならないほど楽だったので嬉しかったです。この利用者重視の考え方は、アップルではいろいろなところで見られます。

スイカに比べるとクレジットカードの登録は少々面倒ですが、簡単にするために工夫がされています。登録すると自分のクレジットカードが「iD」か、「QP」かが分かるように画面の中のカードにレッテルが貼られるのです。

これがあると、自分のクレジットカードがどちらのグループだったか迷ったような時でも、画面を見ればいいから便利です。

お店で買い物する時も極めて簡単です。スイカの場合、「スイカで」とレジでいって、そのまま端末機にiPhone7をかざすだけで支払いは終わります。その際ホームボタンに指をおく必要もないし、画面をオンにする必要もないのです。スリープ状態でも反応してくれます。

一方、クレジットカードの場合、一般に必要とされるサインがいりません。そのかわりホームボタンに指を触れながら端末機リーダーにかざすだけ。面倒なサインが入らないので大変に楽です。これも利用者の利便性を重視したサービスと言えるでしょう。

徹底したプライバシー保護

カード利用する際に一番気にかかるのが、自分の買い物情報が外に漏れないかということです。

専門的には購買履歴情報とも呼びますが、それをカード会社が収集したり、ウェブ業者が収集しています。中には転売するところもあります。そんなことをされたら、誰だって、嫌な思いがするでしょう。

アマゾンも集めていますから、サイトを開くと、昨日買った本に関連した本の広告が今日出ていたりします。本当に役に立つものならいいけれども、そうでないことが多いので、とても腹が立ちます。

購買履歴はアマゾンだけでなく、Yahoo!楽天なども盛んに収集して、自分たちのマーケティングに活用しています。

私たちはそれを知らぬ間にやり過ごしていて、それが当然のこと思ってるのですが、アップルの場合はちょっと違います。

自ら、そうした購買履歴は決してとらないと宣言しているのです。それはアップルがそういうデータを使って広告を展開する気が一切ないということを言っているわけです。利用者が不愉快な思いをすることはやらないという哲学ががあるからです。

そうした会社はまだ少ないので、あまり目立ちませんが、カード選びにおいては大切な点だと思います。アップルは利用者のプライバシーを守ることを重視している。これは創業以来一貫した企業ポリシーだそうです。

米国でも、こうした厳しい姿勢を示す企業は多くはありません。アップルがその最右翼と言っていいでしょう。

ただ、ヨーロッパでは、2018年にさらに厳しいプライバシーポリシーが制定され、日本にも影響が来そうです。

これは、個人情報を収集する会社に対し、収集する基準をつまびらかにしなければ収集を認めないという規制なのだそうです。違反すると罰金を取られるという厳しいものです。

私たちも何気なく過ごしていますが、そろそろ高還元率ばかりでなく、購買情報の収集や販売などにも気をつけるようにしたいものです。

Next: これから「大激変」を迎える私たちのクレジットカード・ライフ

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